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元NHKアナが伝授する「オンラインでも、対面でも」相手に伝わる話し方。語尾はしっかりと

学び

オンラインの商談でうまくやるには

『仕事のできる人の話し方』(青春出版社)

 これがオンラインでは、相手の表情や言葉の細かいニュアンスが読み取りにくく、商談の基本の「き」が取りにくいという問題があります。そこで、オンラインでの提案は、相手の反応がわかりにくいことはある程度割り切りって、進行役に徹する必要があります

「本日のご提案、このような流れで進めていこうと思いますが、いかがでしょうか? まず3分程度、提案の概要を説明させてください。次に、ぜひ御社のご要望やご質問をお聞かせください。その上で具体的にご回答してまいります。全体で30分程度の予定です。よろしいでしょうか?」

 特に初対面での関係づくりが難しく、対話の中で質問をしても表面的なものしか返ってこない場合があります。そこで、あらかじめ「相手の反応を確かめる仕掛け」をつくっておくのです。

 具体的には、自分が話す時間、相手からヒアリングする時間の順番を決めて、オンラインプレゼンの冒頭に進め方を提示します。もし、資料を画面上で共有する場合には、「本日の流れ」として資料に順番を書いて見せます。

 また、「はじめに提案の概要についての説明に3分ほどお時間をいただきます」など、こちらが話す時間の目安を伝えておけば、途中で口をはさまれることはまずありません

ベテランを尻目に結果を出す若手の姿も

 コロナの影響で、急きょオンライン商談に切り替えた直後、対面形式の提案に慣れているベテラン営業職の方から「やりにくい」という声が多く上がりました。理由を尋ねると「相手の反応を見ながら提案を進められないから」という声がダントツでした。

 その一方で、個人的な対話スキルをそれほど必要としないので、リアルの営業経験が少ない若手社員が進行役に徹して、一定の成果を上げられたという話も聞きます

 このようにオンライン商談は、リアル営業が苦手だった方や営業経験がない方にとってチャンスです。提案、商談の成功のカギは相手のニーズ把握。ぜひ、オンラインでもプレゼン上手を目指しましょう。

<TEXT/WACHIKAコミュニケーションズ株式会社 代表取締役 阿隅和美>

WACHIKAコミュニケーションズ株式会社 代表取締役。青山学院大学経営学部卒業。中部日本放送アナウンサーを経て、NHK衛星放送キャスターとして、株式市況、世界のトップニュースを10年担当。20年にわたり、スポーツ、経済、情報番組に関わり、あらゆるジャンルの人々の「声」に触れてきた豊富な経験を持つ。(アナウンサー名:瓶子和美)現在は、TV現場で培った技術を活かし、のべ1万5000人以上に対して、ビジネス現場でコミュニケーション力を発揮し、成果を出す人材を育成する研修、講座、講演を行っている他、経営層・管理職、エグゼクティブリーダー向けプレゼン・スピーチのパーソナルトレーニングやコンサルティングなどを実施している

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