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「もっと政治家を利用して」福岡市長が“挑戦したい若者”に送る言葉

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 コロナ禍でついに国の借金は史上最大の1200兆円超まで膨らんだ。その一方で、給付金や支援金の支給は滞り、国や行政の遅すぎる対応にいつ国民の不満が爆発してもおかしくない状況にある。

福岡

福岡の市街地 ©︎kai

 そんな中、人口160万人を超える福岡市のリーダー、高島宗一郎・福岡市長が、このほど上梓した新刊『福岡市長高島宗一郎の日本を最速で変える方法』(日経BP)の中で「若者の一票を高齢者の一票よりも重くすべき」と、少子高齢化が進む日本が、再び未来に希望が持てる国となるためのヒントを提示している。

 2010年から福岡市長を務める高島氏は国家戦略特区を活用し、福岡市を「開業率日本一」に導き、税収も7年連続で過去最高を達成。コロナ禍においても国に先駆けて「店舗への家賃支援」を実行し、ワクチン接種でも独自の優先枠を導入するなど、迅速な対応が注目されている。前回のインタビューでは、なぜコロナ禍の今が変化のチャンスなのかを聞いたが、今回は「この国では若者は構造的に弱者」と訴える真意をたずねた。

140文字で憂さ晴らしをしても社会は1ミリも動かない

――前回は、コロナ禍で危機感を共有できた今が変化のチャンスだとお聞きしました。では、何が社会を変えるためのハードルになっていると思いますか。

高島宗一郎(以下高島):行動を起こさなければ、何も変わりません。「なぜ?」「どうして?」と疑問や不満に思っても、SNSやネットニュースにコメントを一生懸命に書き込むだけでは、その書き込みがどれだけ「いいね!」と共感を集めたとしても、社会は何も変わりません。

 140文字で憂さ晴らしをしても、どれだけ署名活動をしても、社会は1ミリも動かない。つまり、そこは力を入れるべき「力点」ではないんです。まずは、世の中、特に政治や行政の世界で、ものごとが決まっていく力学を知り、理解しなければなりません。

 新たなテクノロジーやサービスを生み出すのはスタートアップですが、社会がどうあるべきかを決め、それを実装装備させるのは政治や行政の役割です。この2つが一緒に動いて、初めて世の中を変えられます。そして、そのカギを握るのは現役世代、特に若い世代の方々の行動なのです。

若者が弱者である日本を変えたい

高島宗一郎・福岡市長

高島宗一郎・福岡市長

高島:スタートアップの世界を牽引しているのは、間違いなく若い世代です。若者が生み出す既成概念を超える発想は無限大の可能性を秘めています。しかし、海外に比べて、日本には圧倒的にスタートアップ企業が少ない。

 それは、さまざまな業界が団体を作って既得権を握っているからです。彼らに若い人たちのチャレンジが邪魔されることも多々あります。また、それを社会に実装させる政治や行政の世界では、高齢者票や既得権者たちの組織票の影響力が大きく、その結果、彼らを優遇する政策がとられやすいのが現実です。

 だから社会が変わらないんです。つまり、日本では構造的に若者は弱者なんです。しかし、若者は自分たちが弱者であることにすら気づいていないんです。このままでは日本を飛び出して外国に行く以外、道はなくなるかもしれない。でも、私は絶対にそうさせたくありません。

福岡市長高島宗一郎の日本を最速で変える方法

福岡市長高島宗一郎の日本を最速で変える方法

コロナで浮き上がってきた様々な日本の課題へ立ち向かうため、地方自治体という“現場"で10年に渡って改革の旗を振るってきた筆者が、地方行政の実績をベースに日本を最速で変える方法を解き明かす

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