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夢への投資のはずが借金200万円に!デザイナーを目指した29歳女性の懺悔録

コラム

自身のポリシーで追い詰められることに

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 誰が私服の良し悪しを判定しているわけでもありませんでしたが、当時の菜々美さんには「デザイナーたるもの常に一目置かれるような服装でいるべきだ」というポリシーがあったそうです。

「課題の制作に追われて、バイトしている時間は皆無。それでも季節の変わり目や、好きなブランドの新作が出れば、貯金を切り崩して服を買い込んでいました」

 多忙を極める生活のなかで、それが唯一の息抜きにもなっていました。

「お金がないことは理解しているのに、つい服に手が伸び、カードで買ってしまうような状況でした。『これも勉強のため』と思うことで、歯止めが効かず……今思えば、『買い物依存症』のような状態になっていたんだと思います

困窮を装い友人に金の無心をしていた

「周りをライバル視していたこともあり、仲間も作らず常に孤独でした。忙しさに加えて、そうしたこともストレスを溜め込む原因になっていたのかもしれません」

 ついには貯金も底をついた菜々美さんが頼ったのは、親戚や友人たちでした。

「バイトはしていなかったので消費者金融からは借りられませんでした。それで、友人たちを頼るようになったんです。『忙しくてバイトをする暇もなくて生活に困っている』と説明すると、みんな快くお金を貸してくれました」

 借りては服を買い、また別の人にお金を借りては服を買う……。そんな自転車操業状態にも限界がきてしまいます。

1件あたりの額はそこまで多くはありませんでしたが200万円弱の借金になっていました。もう借りるあてはなくなったのに、それでも服を買わずにはいられない状態でした……。それで、母のカードにも手を出してしまったんです」

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