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20代で年収1000万円も可能。学歴が関係ない「とび職」を選んだ25歳

コラム

とび職に必要な資質とは?

安全帯

 ただし、高所での作業ゆえに仕事中は常に危険と隣り合わせ。ベテラン作業員ですら足場から転落して大ケガを負ったり、ときには命を落とすような事故も起きています。

「一日中動き回る仕事のため、慣れるまでは体力的にキツいかもしれません。普段と使う筋肉が違ったのか、私も最初のころは筋肉痛になっていました。あと、敏捷性やバランス感覚は必要ですね。そうしたこともあって小柄な人が比較的多いです

 もちろん、なかには肥満体型の人もいますが、そういう方でも見た目によらず身軽だったりします。でも、個人的に重要なのが高い場所でも平気であること。

 どんな体力や身体能力に優れていても高所恐怖症で足がすくんで動けないじゃ仕事になりません。働いているうちに克服できる人もいますが、重度の場合だと難しいかもしれません。それだといくら資格を取ろうが、それ以前の話になっちゃうので」

独立すれば20代で年収1000万円も夢じゃない

 当然、身の危険がある仕事だけに給料は悪くない。特に工藤さんは親方ということもあって年収は約470万円。大卒で上場企業に就職した人でも、25歳でこれより多い年収を得ている人は、それほど多くないはずです。

「学歴がない自分のような人間でも頑張れば大卒の人以上の収入がもらえる。危険の対価という見方もありますが、それでも高収入はとび職の大きな魅力です。独立すれば20代で1000万円前後の年収を稼ぐことも可能だし、自分もそこを目指しています

 ですが、それだけの収入を得られるのは同業者でもほんの一部。その目標を叶える1級とび技能士の資格取得に向けて勉強中とか。

「合格率は3割程度しかなく、一発で受かるのはかなり大変です。実技はまだイケると思うんですが問題は学科。試験の出題範囲はかなり広く、慣れない頭を使って試験勉強するのがこれまた大変で……」

 そこまで難しい試験とはまったくり知りませんでしたが、資格取得でキャリアアップを目指そうとするのはどの業界も一緒。決して簡単ではないと思いますが、ぜひ合格してほしいものですね。

<取材・文/トシタカマサ イラスト/カツオ(@TAMATAMA_GOLDEN)>

ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中

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