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面接中に「なんで女の子がウチに?」女子大生が体験した就活パワハラ

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 大学生にとって最大の試練である就職活動。そこで運悪く、面接官からセクハラやパワハラを受けてしまった場合、大きな心の傷になることもあるようです。実際そういった話は現役大学生である筆者の周りでは珍しくありません。

 2019年5月に日本労働組合総連合会が発表した「仕事の世界におけるハラスメントに関する実態調査」でも、就職活動をしたことがある人のうち、20代女性の12.5%、20代男性の21.1%が、セクハラ被害を受けたことがあると回答

就活生 女性

画像はイメージです(以下同じ)

 2021年の春に大学を卒業する松田香澄さん(仮名・22歳)も面接の場で日本企業の古い体質を実感するような経験をしました。

初めての面接で待っていたのは…

 知り合いが所属していたことから興味を持ったIT企業にも応募した松田さん。とんとん拍子に採用が進み、最終面接に行き着きましたが、ここで面接官に高圧的な態度を取られたそうです。

「『ITにこれからどんな需要があると思う?』と質問されたので、『スマホで買い物を済ます同級生も多いので、キャッシュレスの分野は間違いなく伸びると思います』と答えると『それって何%の学生? 数値も分からないのはエンジニアとして向いてないね』と一蹴されました……」

 続けて「自分の学部で学んだことをどう活かす?」との質問に自身の卒論の内容でもあった「間違った情報でもメディアの報じ方ひとつで正解のように伝えることができる。正しい情報をしっかり保持しておくことの大切さを学んだ」と応答します。

 すると面接官は「文学部なら、『歴史を振り返ってみて昔と今も考え方が違わない。日本の変わらない心』などと答えると思っていたんですがね。論理の飛躍をしていると感じました」と上から目線のフィードバック。

「卒業論文の内容まで否定されたような気持ちになり、ただただ虚しくなりました」と、松田さん。

志望度が高い企業では…

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 そして、次に受けた面接は志望度の高い通信社。マスコミ志望だったこともあって、何か月も前から筆記試験やエントリーシートに対策を重ねていました。しかし……。

「入室して10秒経たずに投げかけられた言葉は『なんで君みたいな女の子がうちにきたの?』でした。40〜50代男性の面接官は『この世界はキラキラしてないんだよ? 君はそれで良いの?』と語気強く畳み掛けきたので、たじたじとなりながらも必死にサークルや学生記者としての経験をアピールし食らいつこうとしました。

 でも掘り下げられたのは『男性が多い空手サークルでどうやって女として活動してきたの?』『どうしたら女が男に勝てると思う?』『男性社会で君はどうやって生活していくつもり?』というもの。与えられた20分のほとんどが“女性として”の質問に終始しました

 性別をフックにとした質問があまりに続くことに苛立ちを覚え、「私は女性としてではなく松田香澄という一個人として働きたいと思います」と返すと、面接官は「今は女性も社会進出してるからね」と、とってつけたような回答。

 結果は不採用でしたが、後日、統合失調症を発症した学生がその企業から内定を取り消しをされたという話を友人づてに耳に挟み、「不採用になって逆によかった」と感じたそうです

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