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面接中に「なんで女の子がウチに?」女子大生が体験した就活パワハラ

学び

面接の途中で応対する気が失せる

オンライン面接

 金融系の企業の面接は、最終面接かどうかといったところでした。自己PRをさらに練り直し、万全の体制で意気込んでいた松田さんでしたが、1社目に続き、思いもよらぬ質問が飛び交うことになります。

「『ところで何人兄弟? 例えば一人っ子の女の子が総合職だと、お父さんが心配なさるでしょう』と矢継ぎ早に質問され、『私は本当にこんな会社で働きたいか?』とやる気を削がれました。

 その後も『おじさんの若い頃は〜』といった話が続き、途中で『私を採用する気はないのだろう』と察してしまいました。本気で応対する気が失せてしまい、以後に受ける企業の面接対策のような気分で臨みましたね……」

 ハラスメントを受けた3つの企業は、どこも名のしれた大きな企業。厚生労働省のホームページには、「採用選考時に配慮すべき事項」として、<公正な採用選考を行うためには家族状況や生活環境といった、応募者の適性・能力とは関係ない事柄で採否を決定しない>との記載がありますが……。

若い女性の立場が弱い企業も多い

「年功序列かつ男性社会の大企業では、いまだに若い女性の立場が弱く、上司の意見が絶対という風潮が強いのかもしれません。自分に落ち度がなかったとは全く思っていませんが、せめてもっと納得のいく形で不採用をもらいたかったです

 現在松田さんは、サービス業の企業に内定をもらい、2021年4月入社予定です。その企業での面接では、特に圧迫されることもなく終始和やかに進み、自分の思いを全て伝えられたと語ります。

「面接官の雰囲気、応対でその企業の様子が分かります。入ってからこんなはずでは……となるよりは、多少嫌な思いをしてでも面接で知れただけ良かったと思います」

 就活において、あまりにも理不尽な対応を受けた場合は、厚生労働省の地方の出先機関である労働局雇用均等室で相談を受け付けているようです。自分だけで抱え込まず、専門家に話を聞いてもらうことができれば、凝り固まった現状を変えることができるかもしれません。

<取材・文/どんどん>

1997年生まれの蠍座の女。21卒として女子大生から筋肉系OLへ。学生時代はリユース業界新聞記者、FLASHのWEBライターを経験。出版サークルで世界のゲテモノを食べる企画を発案したり、大学の体育でボクシング授業のアシスタントを務めたりと「一風変わっておもしろそう」なことが大好き

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