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年収3000万円から失業危機に。コロナ打撃「パイロット・CA」の“懐事情”

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 国家資格合格者や、大企業への新卒入社組など、一度レールに乗りさえすれば高年収が約束されていたはずの“勝ち組”たち。だが、そんな彼らも長引く不況や、新型コロナが追い打ちとなり、続々と高年収組から転落しているという。その崩壊の実体とは――?

高年収崩壊

’21年1月の成田空港。コロナ禍以前は多くの飛行機が離発着していた滑走路も閑散としている

度重なる減便。給与が3割減ったパイロットも

 新型コロナによって大きくダメ―ジを受けた航空業界。航空ジャーナリストの北島幸司氏は、花形であるパイロットの収入も落ち込んでいると指摘する。

「コロナ禍でも国内線は4割程度の減少でフライトをキープしていますが、国際線は需要が大きく減りました。年末年始の書き入れ時の感染拡大が大打撃となり、国際線全体のフライト時間は9割も減少しています。パイロットの給料は乗務時間で決まりますから、フライト時間が減れば、当然懐にも影響が出てくるでしょう」

 ANA・JALに勤めるパイロットの場合、実際の搭乗時間にかかわりなく、50時間分の乗務手当てが保証されており、通常時の5割以下に落ち込むことはない。

 ただ、5割フライトが減れば、乗務手当てが減り給与も3割減。給与1000万円前後の経験が浅い副操縦士の場合、現在は年収700万円程度の事例があるのではないかと、北島氏は推測する

客室乗務員も厳しい状況に

高年収崩壊

イラスト/神林ゆう

 それでも、日本の航空会社ではパイロットの雇用はしっかり守られており、失業の心配はない。

「生活苦があるとすれば、世界で働く派遣パイロットでしょう。彼らは機長であれば3000万円以上の年俸で雇用されますが、契約期間が終了すれば延長は保証されません。アメリカでの派遣パイロットはウーバーや、タクシードライバーを兼業していると聞いています

 また、パイロット以上に厳しい状況に追い込まれているのが、客室乗務員たちだ。彼らには時間保証もなく、月収が5割以上減っている人もざらだという。

 元CAで、現在も航空業界に知り合いが多いという都内在住女性は「パイロットはCAとの結婚も多い。コロナで世帯年収が大幅に下がった夫婦もいます」と話す。

 2020年、ANAは冬のボーナス全額カット、JALは8割減額に踏み切った。たとえ高収入のパイロットであっても、新型コロナという災難の影響は免れないのだ。

北島幸司氏

北島幸司氏

【北島幸司】
航空ジャーナリスト協会所属。ビジネスと旅行系WEBサイトや月刊航空雑誌で連載の執筆をする航空ジャーナリスト。コラムの執筆も行なっている。

<取材・文/週刊SPA!編集部>

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