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記者も危うかった「アルコール依存症」。飲んだ翌日の要注意“サイン”

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「ストロング系」で脳細胞が死ぬ

「アルコールは短期的には気分を高揚させる効果がありますが、翌日の不快な気分もアルコール濃度が低下したことによる離脱反応の影響が大きいでしょう。アルコールを長期的に乱用すると、精神の安定に深く関わる神経伝達物質『セロトニン』が分泌されにくくなり、うつ病のようなアルコール性気分障害を引き起こします」

 実際に臨床にあたる澤田先生が問題視するのが、ストロング系のアルコール飲料だ。日常的に500ml缶を5〜6本飲む人もいるそうだが、このアルコール量は日本酒7〜8合、ワイン2本分に相当する。診察の場で自分の飲酒量を知って驚く人も少なくないそうだ。

「アルコール依存症、アルコール乱用に至る契機はさまざまですが、最近よくある状況では、9%のアルコール濃度の『ストロング缶』の健康リスクが高いと考えられています。アルコール濃度が非常に高いにも関わらず、清涼感やのどごしの良さで、つい飲みすぎてしまうようですね。急速にアルコールの血中濃度が上がるので、感情的になる、物をなくすなど、問題行動を起こすリスクも高い。健康上、ストロング缶には手を出さないほうが良いと言えます」

前日の記憶がない場合は要注意

飲み会

 アルコール摂取が肝機能障害を引き起こすことは世間的にもよく知れているが、脳にも悪影響を与えるという。

「適度なアルコール量(1合程度)は健康リスクが低いと言われていますが、『起きた時に前日のことを覚えていない』という状況であれば、『アルコール性健忘』の可能性があり注意が必要です。

 こういった記憶欠損(ブラックアウト)は、アルコールが脳に深刻な影響を与える最初のサインです。アルコールは脳細胞にも有害で、長期にわたってアルコールを飲みすぎると、脳細胞が障害され、脳細胞が次々と死んでいく。脳が委縮して、アルコール性認知症を引き起こします」

 なまじ記憶が残っているだけに、ふとした瞬間にフラッシュバックして人知れず苦しんでいることが私の場合は多いが、まだ感覚があるだけマシと考えるべきなのかもしれない。

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