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2020年の“コロナ倒産”を振り返る。飲食、アパレル…生き残る企業の特徴も

ビジネス

飲食、宿泊、アパレルの倒産が多数

空きテナント

 6月にはいよいよ1か月間のコロナ関連倒産件数が100件を超える。感染者数としては5月14日から6月25日まで全国合計で100人を超える日がないなど、比較的落ち着いていた時期だが、緊急事態宣言による自粛の影響も響いた

 倒産数は、国内の感染者数も落ち着き始めた、7月から下降傾向となり、8月には67件に。しかし、9月以降は全ての月で100件を超えており、倒産に歯止めがかからない状態になった。

 感染者数も6月27日を最後に全国で100人を下回ることはなくなり、7月16日にはじめての500人超え、7月29日に1000人超え、11月17日以降は連日の4桁の感染者が続いている。9月以降、毎月の100件以上の倒産が積み重なった結果、12月22日段階でコロナ関連の倒産は累計749件に及ぶ。

 コロナの影響が出始めた当初に目立ったのが宿泊業の倒産だが、現状においては飲食業が最多で138件となっている。なお、飲食業の次に多いのが、かつては“アパレル御三家”とも呼ばれた大手アパレルメーカー「レナウン」を含むアパレル関連(製造、販売)の79件、そして建設業の62件と続く。宿泊業はGoToトラベルの後押しもあってか、60件とコロナ初期以降は倒産数は上位2つと比べると落ち着いてきた格好だ。

相次ぐ飲食チェーン店の撤退

回転寿司

 倒産数が多い飲食業においては企業自体の倒産とまではいかなくとも、既存店の大量閉店に踏み切っている飲食チェーンも多い

 早い段階で大量閉店を決定したのが、「甘太郎」や「かっぱ寿司」、「大戸屋」などの飲食チェーンを展開するコロワイドグループだ。5月の段階で196店舗の閉店を発表。また、6月にはファミリーレストラン「ジョイフル」が200店舗の閉店を発表した。

 この他にも「ロイヤルホスト」や「天丼てんや」を展開するロイヤルホールディングスは5月に70店舗の閉店を決定。11月にはさらに2021年までに約20店舗の閉店を検討していると発表。同じく11月にはすかいらーくホールディングスが2021年までに約200店舗の閉店を新たに発表した。

 一部の飲食業においてはテイクアウト需要の高まりもあり業績を伸ばしているが、飲食業全体で見ると撤退戦を続けざるを得ないという状況の企業が少なくない。Go To Eatの影響もあり、一時期は回復傾向となった飲食店も多かったが、それでも飲食業界にとっては非常に厳しい1年となってしまったことがうかがえる。都心部では空きテナントを見ることも多くなってきているが、残念ながらこの傾向は当面続くだろう。

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