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「タピオカ×選挙に行こう」仕掛け人が語る“女子力への違和感”と新たな挑戦

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「らしさ」や「なのに」という固定観念を壊したい

 こうした社会課題に対して自分のスタンスを示し、広告クリエイティブに落とし込むのは、辻氏自らが理不尽な思いをした原体験があるからだ。エードットに入社した頃、「現役の女子大生なのに仕事してすごいね」「いまどきの若い女性らしくないね」と言われることがよくあったという。

 日本に古くから根付いてきた女らしさや男らしさという固定観念は、世の中がジェンダーギャップやフェミニズムを主張するようになっても、いまだに強く残っているのが実情だ。

「例えば『女子力が高い』とよく使いますよね。でも、そもそも“女子力”って何だろうと考えたとき、ずっと違和感を抱いていたんです。女子っぽさで一括りするときに女子力という言葉を使うと思いますが、『女子が持っている力』って慎ましさや清楚さ以外にも、もっと多様的なものなのではと感じていた

 そんな画一的な意味合いを持つ女子力という言葉を再定義し、『自分らしく生きる女性の数だけ違った女子力がある』ことを伝えたのがミルボンさんのブランド広告でした」

『news zero』想像もしてなかった

ミレニアル

「髪へのこだわりと個性を持つ女性」にフォーカスし、画一的なものでなく多様性に富んだ女性の力=GIRLS POWERだという想いをビジュアライズ化した株式会社ミルボンの広告

ミレニアル

 20代で広告クリエイターとして、経営者として仕事をこなす辻氏だが、ここまで走ってこれたのも「躊躇せずにとりあえずやってきた」からこそだという。

「自分の人生にとって前例がないのは躊躇しがち。何かにチャレンジすることは不安や怖さを感じますし、しんどいこともいっぱいあります。でも、今までやってみて後悔したことは一度もなかったですね。最初は点だったものが、徐々に連鎖していき、どんどん繋がっていく。

 1年前の自分はまさかニュース番組『news zero』に出るなんて想像もしてなかった。変化の早い世の中なので、万全な状態は一生来ないと思って、まずはアクションし、その後に変化していくくらいがちょうどいい。とりあえず迷うのではなくやってみることが大切ですね」

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