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意外と知らない「日本酒での会食マナー」。プロが教える3つの要点

暮らし

2:料理選びは「お店の方」と話し合って

友田晶子さん

友田晶子さん

 日本酒と一緒に楽しむお料理は、前もって決めておくことをおすすめします。メインの料理を一皿しっかり楽しむフレンチやイタリアンと違い、たくさんの品数を少量ずつ食べるのが和食の基本です。

 それをイチから選ぶのはお客様にとっても負担ですし、その都度、お酒や会話が止まってしまいます。コースでなくてもかまいませんが、大枠でお店の方と話し合って決めておき、ご希望があれば追加するなどしましょう。カウンター割烹などカジュアルなお店の場合は、好みにあったお料理をあれこれ注文するのも楽しいものですが、やはりホスト側がある程度取りまとめて、料理を選ぶほうがいいでしょう。

 せっかく日本酒を楽しむわけですから、日本酒選びに労力を注げるようにするのです。

 そしてもうひとつ、大切なことがあります。それは、約束の時間より、少々早めに入店することです。お客さまより遅れるのはもってのほかです。

 先に入店して、予約内容、段取りの確認をしておけば、認識のズレなどがあった場合にすぐ対応でき、万全な状態でお客様をお迎えすることができます。 気持ちよい状態でいただく日本酒は格別です。早めの入店は、そのための場づくりでもあるのです。

3:最優先すべきはゲストの好み

日本酒

 忘れてならないのはゲストの好みです。ホストとしては、ゲストのために、料理もお酒も万全に用意しておこうとするかもしれません。ですが、それではホストのオンステージになってしまいます。

 日本酒は個性豊かな銘柄がたくさんあります。ゲスト自身にメニューを見て、選ぶ楽しさを味わってもらいましょう。ゲストのさまざまな好みに対応できるように、数種用意してもらうとか、もともとそういったわかりやすく幅広い品揃えをしているお店を選ぶと安心です

 ただし、オリジナリティあふれる品揃えをしていたり、きめ細かく相談に乗ってくれたり、好みに応じたサービスを提供してくれたりするお店はまだまだ少ないのが現状です。

 種類が多くても、よく見ると「純米大吟醸」ばかり置いていたり、「生原酒」ばかり置いていたりする店もあるので、接待の際は、気にしてみてください(ゲストが「純米大吟醸」や「生原酒」が好きな場合は問題ありませんが)。こうしたことからも、事前準備が大切なのです。

<TEXT/トータル飲料コンサルタント・友田晶子>

一般社団法人日本のSAKEとWINEを愛する女性の会」代表理事。一番弟子として田崎真也氏オーナー、ワインバー「アルファ」(銀座)代表を歴任。株式会社エルミタージュ勤務し、田崎真也ワインサロン講師も務めた。業界30年以上のキャリア。お酒にまつわる書籍を20冊以上執筆など

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