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元官僚YouTuberが告白「霞が関からブラック労働はなくならない」

ビジネス

このままでは国民に不利益が…

おもち

※おもちさんの公式Youtubeより

――2020年1月からYouTubeやTwitterを通じて、官僚の実情などについて、情報発信をされています。どういった経緯があったのでしょう?

おもち:一番は中央省庁の働き方が変わらないと、一般の国民の方々にも悪影響が出てしまうと思ったからです。ただ、退職したときには特にYouTubeやTwitterをやろうとは思っていませんでした。

 一方で、私が退職した後も、古巣の職場の方が結構辛そうに働いている姿を見ました。こういった状況は、その方が可哀想という観点も当然ありますが、それ以上にこれが今後も続くと、自分たちの生活にも悪い影響が出るのではないか、改善すべきではないかと思ったんです。

――10か月でtwitterではフォロワー2万人以上 YouTubeも登録者数5000人以上。数字を見るとかなり反響があったように思いますが、どのような声が届いていますか?

おもち:体感としては「官僚がどういう仕事をしているか、どのような働き方なのか、全然知らなかった。官僚に対する見方が、良い意味で変わった」という声が多いです。それが、5割くらいでしょうか。残りの3~4割くらいは実際に務められているような方から「発信をしてくれて助かります」という反響もあります。もちろん1割くらいは、否定的な方もいらっしゃいますね。私も官僚の全てを経験した訳ではなく、全てが貴重なご意見ですから、まず一度受け止めるようにし、試行錯誤しながら発信を続けています。

――最後に今後の展望について教えて下さい。

おもち:私は最終的に自分の情報発信が官僚のネガティブキャンペーンにならないようにしたいと思っています。官僚は唯一無二のやりがいがある職業です。

 一方、そのやりがいについて説明しようとすると、具体的になり、個人の特定につながるので、Twitterはどうしても文字数制限や匿名性の観点から難しいというジレンマがあります。YouTubeでは、今後、他の方と対談をして、省庁のやりがい、ポジティブなところも発信していきたいと考えています。

<取材・文/柳洋>

【おもち@元官僚系Youtuber】
官僚の闇から日常までを疑似体験できる場と、官僚×民間経験を基に発信。新卒で中央省庁→退官→民間企業へ。得意分野は観光と労働系
■Twitter:@ex_kanryo_mochi
■YouTube元官僚 おもちチャンネル

編集者・ライター。1993年生まれ。フリーランスを経て、出版社に勤務。Web記事や書評を中心に編集・執筆をしています

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