「マネーの虎」から16年。名物女性社長が明かす当時の秘話
志願者のその後が気になることも
今でも、当時の“虎”との交流は途切れていないようだ。マネーの虎を模した出資イベントを開催したり、同窓会のように集まったりもする。また、“学習塾業界の虎”岩井良明さんのYouTubeチャンネルを通して集まる機会も。尾崎さんが橋渡し役として「連絡してもらえる?」と頼まれることもあるそうだ。
一方で、志願者だった方との交流はあるのだろうか。
「出資した方とは交流はありますが、それ以外にはありません。ただ、その先が気になり、消息をたどろうとしたことはありました。当時、スープカレーの事業展開をしたいとプレゼンしてくれた志願者の男性がいたのですが、おそらく彼は世の中にスープカレーを広めた人だと思っているんです
北海道以外ではまだメジャーではなかった時代に目を付けたのは、今となっては先見の明があったなと思いましたが、結局、お会いすることはできなかったです。他にもやはり、目標金額に達せずノーマネーとなった方々についても『あの人は今、大丈夫なのかな?』と思うこともあります」
ノーマネーになる人の共通点は
マネーの虎はある意味「プレゼン」の教材にもなりえそうだが、ノーマネーになる人に共通点はあるのか、
「1つあるとしたら、考え方のクセかもしれません。正直、商売を始めるにあたって、モノは後々でどうにかなるんですよ。ただ、考え方が直せないのであれば、上手くいくものもなかなか上手く行かないのではないかとは考えています。
本人に情熱があるのはもちろんですが、なかにはプレゼンでみなさんの心をわしづかみにしていたものの、途中でボロが出てしまう方もいました。例えば、近所の子どもたちのために安心して食事できる場所を提供しようと立派な理念を掲げていたのに、ふとした瞬間に『自宅の改装費も入っています』と口に出してしまい、ノーマネーになってしまうような方もいました」