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日本は完敗、中国の「最先端キャッシュレス」事情。米国が恐れる理由

ビジネス

「資本移動制限の緩和」に踏み切れば中国バブルも

上海

中国最大の経済都市・上海の夜景

 徐々に、段階的に、資本市場の自由化をすすめてきた中国ですが、もう時間の猶予は残されていないと戸田さんは見ています。それは中国の経常収支(他国との貿易やサービスの収支)の低迷が物語っています。

「中国を1つの企業として例えれば、数年前までは、世界の工場として大変に儲かっていました。ですが、近年の目覚ましい経済成長とともに、人件費は高騰し、もはや世界の工場としてのビジネスモデルは立ち行かなくなってきているのです」(戸田氏)

 では、人民元国際化の成功の鍵はどこにあるでしょうか。

「やはり、資本移動の制限の緩和しかないでしょう。中国が、国民の資金逃避のリスクや国内でのバブル発生のリスクを負ってでも、勇気をもって、国際化に望めるかどうか、それに通貨覇権争いの行方はかかっています」

 中国に関しては、「嫌中」的な見方が日本の中にあふれています。しかし、単に「中国は嫌い」といっているだけでは見落としてしまう世界の政治・経済の大きな転換点、それが米中対立です。今後の米中対立の深層や中国のすさまじいまでのIT、金融技術の発展を見過ごしていると、結局、また日本は、世界の大きな潮流から置いていかれることになるでしょう。

<TEXT/bizSPA!取材班>

若竹コンサルティング創業者。2007年、中央大学法学部卒業後、三井住友銀行へ入行。2019年9月、CEIBS(China Europe International Business School)にて経営学修士を取得。現在は法人向けに、為替市場調査と為替リスク管理に関するコンサルティング業務を提供するかたわら、為替相場講演会に多数、登壇

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