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最高月収130万円。“超細密画”がバズった異色の絵描きの副業論

ビジネス

企業からの依頼を受けて月収130万円に

トライバルデザイナー

企業から依頼を受けてトライバルデザインを行うこともあるという。写真は千葉県柏市の総合リサイクルショップ「ゲンキの平和堂」の壁にトライバル壁画アートをしたもの

 ひたすら絵の練習で模写を行い、2年間ツイッターへの投稿を繰り返した結果、「ようやく仕事としてできるレベルになった」と実感したGAIさんは、対外的な営業をするべく外に出るようになった。

「ツイッターのフォロワーだけでなく、より多くの人に自分の絵を見てもらおうと、コミケ(コミックマーケット)やデザインフェスタなどのイベントや展示会に出展しました。ただ、あまり仕事には繋がらなかった。トライバルデザインってアナログな絵ということもあり、発注側も依頼しづらいんですよね。外に出ることで新しい発見や自分の方向性を考える上でプラスになりましたが」

 このような修行の期間を経て、現在では副業として成立するくらい収入を得ているという。

「エンジニアの仕事は会社員から個人事業主になったことで単価が上がり、だいたい月に70万くらい(税引き前)ですかね。絵の仕事は案件次第ですが、自分の時間に見合う金額を提示しているのでピンキリですね。数万〜数十万をベースに『制作にかける時間』を考えて、忙しい時は断ることもあります。本業と合わせた最高月収は130万円でした

他人の批判を気にせず、自分の信念を貫く

トライバルデザイナー

※GAIさんのツイッターのアイコン

 最後に読者に向けて「好きなことで稼ぐ」ために必要なマインドについてGAIさんに聞いてみた。

「好きなことで稼ぐって、いいことだけどすごい大変。だから、その分野に関して許容できる(受け入れる)ことが重要。例えば、描いた絵に対して批判を受けたり下手だと指摘されたりと、あらゆるネガティブなことを言われてもやり続けられるかどうか。メンタル的にタフでないとやっていけない」

 とかくツイッターでは、誹謗中傷を受けた際に愚痴をこぼしたくなるもの。でもそこはぐっと我慢して、自分の描いた絵をひたすら投稿することに徹したという。

「たまに相談もくるんですが、よく『他人のこと気にしているくらいなら絵を描いてろ』と言っています。他人にとやかく言われたくらいで凹んでしまい、絵を続けるか続けないと考えるくらいなら、絵描きに向いていないと思います。ブレずに自分の信念を貫き通せるかが大切で、他人から何か言われるのが嫌でツラいのなら、普通に仕事したほうがいい。覚悟を持って取り組めるものかで判断するといいでしょう」

<取材・文/古田島大介>

1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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