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元ANAパイロットの人事課長に聞く「異業種転職を成功させるコツ」

学び

学生の前で号泣してしまったワケ

――人事の道を歩まれたのは、そこが出発点だったのですね。

西島:なんとなく面談や人のために仕事をすることが楽しいなと感じていたのですが、新卒採用に携わった時の出来事が印象深く経験として残っています。インターンシップで学生6人ととことん向き合うというプログラムだったので、たくさんの人と向き合ってきたのですが……。「あぁ、人と向き合うって難しいな」という想いと「自分と向き合ってこなかったな」っていう感情が一気に溢ふれ、学生の前で号泣したんですよね……(笑)。

――……! いったい何があったのですか?

西島:パイロットを辞めた経験を話しているうちに、たぶん自分の感情をずっと何かに押し留めて仕事に邁進してきたんです。パイロットを辞めることも心のどこかでは引っかかるところがあって、そういう部分を学生の前で初めてさらけ出したからだと思います。

 でもその時に、本音で向き合う面白さや難しさに気づくことができ、これからは人事で飯を食っていくという決断もできました。

さまざまな業界への転職経験

パイロット

勢いで転職したら見事に撃沈したことも

――いろいろな選択肢がある中で、これまでさまざまな業界に転職をされてきて、転職活動を成功させるコツはあるのでしょうか?

西島:パイロットから転職する時は、面談でけっこう落ちましたよ(笑)。勢いでアクセンチュアとファーストリテイリングを受けたのですが見事に撃沈。「パイロットを続けたほうがいいよ」なんて言われて、この世界から出られないんじゃないかって不安はありました。冷静にキャリアチェンジはやはり難しいということですね。

 リクルートキャリアでは人事としてキャリアを多少積めたので、いろいろな企業からオファーをいただきました。余談ですが、(2度目の転職先である)ベルフェイスは一番条件が悪かったのですが、無名のベンチャー企業でチャレンジしたい思いもあって、そこに決めました。

――現在の会社にはどのような経緯で入られたのでしょうか?

西島:きっかけは、数年前、一緒にイベント登壇した人で「あぁ、この人と一緒に働いたら面白いな」って思った人がいたんです。出会いはツイッター経由でしたが……それが今の上司です(笑)。今の会社は当時まったく知らなかったのですが「(この人がいるなら)じゃあ行きます」と思いました。それでも入社する時には、副業、リモートワーク、フレックス出勤を実施するため生意気にもいろいろと交渉しましたね(笑)。

 たまたま会社側も多様な働き方を叶えるために、制度の導入に向けて準備を進めていて、タイミングもうまくマッチしました。創業から50数年やっている会社がこんなスピード感があることにビックリしましたし、時代に合わせて変わっていけることに安心感を覚えました。

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