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なぜ「香港国家安全法」を各国が支持するのか?メディアが報じない思惑

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 新型コロナウイルスの感染拡大に世界が頭を悩ませるなか、中国と周辺諸国との間で緊張が高まっている。東シナ海では尖閣諸島を巡って日中の間で緊張が走り、南シナ海では中国の内海化政策が進んでいる。

香港 デモ

2019年6月12日、香港での大規模デモ

 また、新型コロナウイルスの発生源や香港国家安全維持法を巡って、中国と米国、オーストラリアなど欧米諸国との間ではこれまで以上に関係が冷え込んでいる。さらに、中国とインドの国境付近でも衝突が発生し、45年ぶりに死者が出る事態となり、両国の緊張も高まっている。

賛成する国が多数となった

 そのような中、6月30日、スイス・ジュネーブで第44回国連人権理事会が開催された。同会合では、香港国家安全維持法に対する審議が行われ、反対する国と賛成する国で意見が分かれた。

 反対する国は、日本を始め、オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、スウェーデン、スイス、イギリスなどの27か国で、欧米諸国が圧倒的多数となった。ちなみに、米国はトランプ政権になってから国連人権理事会から脱退している。

 賛成する国は、中国を始め、カンボジア、キューバ、エジプト、イラン、イラク、パキスタン、北朝鮮などの53か国だった。

 同法を巡って、日本の多くのメディアは自由や民主主義が奪われる香港への悲観的な見方、米国や英国の懸念的なコメントを流すしかしておらず、これについて大々的に報じていない。

 賛成する国をみると、どこにあるか分からないような小さい国も多く含まれているが、なぜ53か国も賛成に回ったのだろうか。いくつか例を挙げて見てみたい。

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