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習近平の強硬姿勢が鮮明に。中国全人代を理解する4つのポイント

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 2021年3月5日から11日までの日程で、北京で第13期全人代(全国人民代表大会)が開催された。全人代は日本の国会に相当するもので、毎年この時期に開催し、過去1年間の政治経済の状況が報告され、今後1年間の国の政策や予算案などを審議・決定する国の最高意思決定機関だ。

人民大会堂

全人代が行われる人民大会堂 ©︎Mirko

 世界中の注目が集まり、多くの事項が議論された全人代。今回の記事では国際政治学者の筆者なりに感じたポイントを大きく4つに分けて紹介したい。

経済成長率の目標は「驚異的」

 まず、注目されるのが設定された経済成長率だ。新型コロナウイルスの感染拡大で先進国の経済は依然として回復の兆しが見えないなか、中国は2021年の経済成長率の目標を6%以上と設定した

 新型コロナウイルスの発生源とされる中国だが、それに早期に打ち勝ったイメージを内外に強く示すように、国産ワクチンの供給“ワクチン外交”を進めている。先進国のでは明るい展望が見えないなか、目標が6%以上というのは驚異的な数字であり、これには米国などをけん制する意味もあるだろう。

日本漁船が攻撃の対象になる可能性が

習近平

習近平 MARCH 25, 2018 : Xi Jinping at the Elysee Palace. photo ©Frédéric Legrand

 2つ目に、2月に施行された海警法である。全人代では海警法を設定した目的を、「習近平氏の強軍思想を貫徹し、新しい時代の国防や軍建設の必要性に応えるため」と明記。

 中国海警局は中央軍事委員会の指揮下に置かれ、海警法は海警局に武器使用を認めているが、今回の全人代からは、海警局が第2海軍であることがより鮮明になったといえる。

 中国は日本の尖閣諸島を固有の領土と位置付けており、今後、尖閣諸島周辺で海上保安庁の巡視船や日本漁船が攻撃の対象となる恐れがある

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