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北朝鮮がいよいよ崖っぷちに…“爆破”に走った金正恩の焦り

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 北朝鮮が誰も予想もしなかった行動に出た。北朝鮮は6月16日、南北友好の象徴だった開城(ケソン)市にある南北共同連絡事務所を爆破したのだ。同事務所は、過去3回行われた南北首脳会談の合意によって設置されたが、これで南北の宥和ムードは一気に冷め、再び緊張関係に戻る可能性がある。

開城(ケソン)市

南北共同連絡事務所があった開城(ケソン)市の街並み

脱北者団体が散布したビラの内容

 しかし、ここで疑問が残る。なぜ今回、北朝鮮はここまで過剰に反応したのか。きっかけのひとつと言われているのが、韓国の脱北者団体が現体制を批判する内容のビラをまいたことだ。

 ビラには「金正恩は偽善者だ」「2017年2月にクアラルンプール国際空港で殺害された金正男氏は、弟である金正恩によって暗殺された」「長男である金正男氏こそが本物の血統一族であり、そうでない金正恩はコンプレックスを持っている」などの内容が書かれていたという。

 しかしこのようなビラ散布は、何も今始まったものではなく、少なくとも2003年あたりから繰り返し脱北者団体が行ってきた。そこには、金正恩氏の焦りが見え隠れする。

 近年、北の対米政策は上手くいっていない。2017年の朝鮮危機以降、金正恩氏はトランプ大統領と3回も会談したが、経済制裁の解除を求める金正恩氏の思うように事は進んでいない

北朝鮮にかつてない危機が

北朝鮮

Pyongyang, North Korea. Bronze statue of Kim Il Sung and Kim Jong Il on the Mansu hill. © Znm

「まずは核の完全廃棄だ」とする米国のスタンスは変わっておらず、今日まで米朝交渉は停滞している。それに不満を強める北朝鮮は、韓国・文在寅政権に仲裁役を期待したが、思うように進展が見られないことから韓国への不満も強めていた。

 そして、さらなる追い討ちをかけているのが、新型コロナウイルスによる中朝国境の閉鎖だ。中国で新型コロナウイルスが猛威を振るうなか、北朝鮮は1月から中国との国境を封鎖している。それによって中国との貿易が9割も減少し、国内での食糧難がさらに深刻化している。国民が生きていく上で必要な食糧やカネに辿り着けなくなると、その不満や怒りは必然と政府に向かう。これはどの国でも起こることであり、北朝鮮も例外ではない。

 今、北朝鮮を襲っているのは、金正恩政権にとって、また歴代政権も経験したことがない危機かもしれない。そのような中、韓国の脱北者団体が現体制を批判する内容のビラをまいたのだ。

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