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「キツい会社=悪いブラック企業」ではない。人事のプロが断言する訳

学び

グッドブラック企業の特徴もうひとつ

――上司や先輩、同僚に揉まれることで社会を生き抜く能力が自然と身につくと。

大橋:それともうひとつ、人事評価がちゃんと機能して報酬体系に反映されているのもグッドブラック企業の特徴です。

 いわゆる上司がハズレだったらそこで終了という「上司ガチャ」のバッドブラック企業では、上司の主観で評価されてしまう可能性が高いといえます。もし就職や転職活動で「グッドorバッドブラック企業」を見定めたいなら、これらは確認しておきたいところですね。

――今、あえて大手を敬遠してベンチャー企業を狙う新卒の若者もいるそうです。大橋さんは新卒でベンチャーに行くことについてどう思われますか?

大橋:うーん、最初の入り口としては避けたほうが無難かなと思います。そもそもベンチャー企業というのは、社会で鍛え上げられた即戦力の人が腕試しにチャレンジする場所でもありますからね。

若者がベンチャー企業を回避すべき訳

大橋高広

人事コンサルタントの大橋高広氏(撮影:森モーリー鷹博)

大橋:新卒の場合とくに教育体制が整備されていることが重要なので、できれば、それなりに社歴があって教育体制と教育者(≒上司)が充実している企業への就職がオススメです。ベンチャー企業へのチャレンジは、ある程度実力がついてからでも遅くはありません。

 今の若者たちはAIやロボットに仕事を奪われる「省人化の時代」を生きてゆかなくてはなりません。もし社会を生き抜くサバイバル力を身につけずスキルや実績などの武器を持たぬままでいたら、果たして20年後どうなっているでしょう? 下の世代から老害呼ばわりされて、会社からはリストラ宣告されるかもしれません。

――「鉄は熱いうちに打て」ということわざもありますからね。

大橋:そう。成長を望む若い人こそ、社員育成に情熱を注ぐグッドブラック企業に入るべきですよ。

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 次回、<テレワーク対応で見極める「真のブラック企業」の特徴。システムの導入は…>に続く。

<取材・文/永田明輝>

気候変動が進む地球の環境問題どうにかして。そんな雑食系ライター

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