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若者よ、これが日本だ。新型コロナ「安倍政権の対応」は人災レベル <ダースレイダー>

コラム

オリンピック・パラリンピックの開催は?

ダースレイダー:特に日本は2020年オリンピック開催国です。オリンピックは世界中から、観光客や、その国の宝であるトップアスリートを招いて、濃密な時間を過ごすイベントです。これをやる国として、もっともやってはいけないことをずっとやってきている。オリンピックがあるからこそ、手を打たないといけません。

 安倍首相が2月26日に、イベントを中止にする期間を2週間と発表したのも、聖火リレーの開催(3月20日に到着式が開催予定)を考えてのことではという声もあります。こういった憶測が生まれる時点で社会的なコストがかかっているのです。IOC(国際オリンピック委員会)も「3か月で収束しなかったら中止を検討する」というステイトメントを掲げたことで余計、尻に火がついたようにも見受けられます。

 今、諸外国で広まりつつあるのが、日本からの渡航禁止です。これは日本の国益にとって大変マイナスで、日本から来た人を拒んでいるのに、オリンピックを見に日本に来るということも想像しづらいです。

 パラリンピックもオリンピックと同様に行うわけで、パラリンピックはウイルス対策ができていない国ではもっともやっちゃいけない大会だと思います。にもかかわらず、対策ができていないのはなぜかと不思議に思います。

政府の“ブレーキ”となれるのは国民だけ

オリンピック

ダースレイダー:「厚労省も頑張っているのだから邪魔するな」とか「現場を混乱させるな」という議論は一見もっともらしく聞こえますが、間違った方向に全力で走っている人がいたら、止めたほうがいいのは当たり前です。

 誰もがどうすればいいかわかっていない状況で、みんなが一直線が走り出したら危ない。だから、あらゆる方向を試しながら進まなきゃいけなくて、進んでいった方向がもし間違っていると判明したら、すぐに方向転換できるような、半身の構えで物事に当たらないといけない。

 新型コロナは、日本の社会が抱える問題が全部可視化された案件です。だからブレーキ機能は大切にしないといけません。そのためには、私たちが普段から選挙に行って、ブレーキ機能を含めた議会を目指すことをやらなければいけません。

 最後に言うと、人の実力というのは「こういったタイミングで何をするか」だけが、それを示すバロメーターです。普段の日常はふわっとしていても何とかなりますが、こういうタイミングでどれくらいのスピードで、どれだけ正確な判断ができるかが政治家に求められる能力だと思います。若いみなさんは、今、さまざまな政治家がどういった行動をしているのか、ちゃんと見ておいたほうがいいと思います。

<構成/鴨居理子 撮影/山口康仁>

1977年パリで⽣まれ、幼少期をロンドンで過ごす。東京⼤学に⼊学するも、ラップ活動に傾倒し中退。2010年6⽉に脳梗塞で倒れ合併症で左⽬を失明するも、現在は司会や執筆と様々な活動を続けている。

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