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鈴木杏樹の不倫報道、相手に「別れるつもり」と騙されても慰謝料請求される?

コラム

― 残酷なマネーの新常識 ―

『週刊文春』が報じた女優の鈴木杏樹さんと、俳優の喜多村緑郎さんとの不倫報道。数々の人気ドラマに出演し、朝の情報番組で司会を務めたこともある鈴木さんは、もともと好感度が高い女優さんだっただけに世間に大きな衝撃を与えました。

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 ところで、事務所を通して発表された鈴木さんの謝罪コメントの中には「今年に入って、お相手から独り身になるつもりでいるというお話があり」とありました。

 もしも喜多村さんが妻である貴城けいさんと別れるつもりがないにもかかわらず、鈴木さんにそのような嘘を伝えていた場合、貴城さんは鈴木さんに対して慰謝料を請求できるのでしょうか?

 そう遠くない未来に結婚するかもしれない20代が知っておきたい「マネーの常識」を紹介します。弁護士・公認会計士の資格を持つ後藤亜由夢さんにお話をうかがいました。

鈴木さんに慰謝料は請求できるか?

――鈴木さんは喜多村さんから「妻と別れるつもり」と聞いていたそうですが、それでも貴城さんから鈴木さんに対して慰謝料を請求できるのでしょうか?

後藤亜由夢(以下、後藤):女性(鈴木さん)が妻のいる男性(喜多村さん)から「妻と別れるつもり」と騙されて不倫していた場合でも、原則として男性の妻(貴城さん)から鈴木さんに対して慰謝料を請求できます。

 法律上、慰謝料を請求する根拠として「不法行為」があることが求められます。不倫は「不貞」といいますが、不貞は夫婦関係を侵害する不法行為にあたるため、慰謝料の請求が可能です。

 不法行為が成立するためには、原則として「故意又は過失」が必要になりますが、不貞行為でいうところの「故意」とは、「不貞相手に配偶者がいるのを知っていること」です。

 したがって、鈴木さんが「喜多村さんには妻がいない」と過失なく信じ込んでいた場合は、慰謝料を支払う必要はなくなります。ただし、今回の件で言えば鈴木さんは「喜多村さんには妻がいる」ことを知っていたために「妻とは別れるつもり」と騙されていたとしても、不法行為が成立するというわけです。

不法行為が認められなかった事例も

既婚者

※画像はイメージです(以下同じ)

後藤:なお、交際相手が既婚者だとわかっていても、長期間の別居や離婚協議中などにより、夫婦関係が実質的に破たんしていることを過失なく信じ込んでいた人の不法行為が認められなかった裁判例もあります。

 鈴木さんと喜多村さんの場合は、「妻と別れるつもり」という言葉を信じただけにすぎず、この程度では「過失がない」とは言えないため、不法行為が成立するといえます。

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