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アイボ、電気自動車…ソニーが目指す「ロボと人間が共生する」世界

コラム

人間が行うのが望ましい作業も

 人間とロボティクスとの共同作業の例として、ソニーはガストロノミーの領域でも研究を進めており、米国カーネギーメロン大学と調理とデリバリーをテーマに研究を行っている。

「料理をするときに分量を量ったり、一定の間隔で切ったりすることは、パターン化できるので、ロボットが得意とするところ。また、人間にはできない技術で調理することも可能です」

 一方で、人間が行う作業については次のように話す。

「食卓を囲んで周囲と触れ合う際に、気持ちを込めてケーキを飾り付けたり、メインディッシュをサーブしたりする作業を担うこと。つまり、ロボットでは表現しきれない心の機微に触れるような作業は人間が行うのが望ましいのではないでしょうか」

 お互いに干渉し合うのではなく、どう共生していくか。「人間とロボティクスの親和性は、ソニーの技術で追求していく価値あるもの」と石井氏は語った。今後もロボティクスで様々なことが検討されている。ソニーの技術によって、新しい世の中が到来することに期待したい。

<取材・文・撮影/古田島大介>

1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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