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入信しないと昇進できない!? アパレル企業に転職したら衝撃の朝礼風景が

キャリア

 20代最後の年に「今よりももっと成長したい」そう、思って転職を決意した田中鉄平さん(32歳・仮名・会社員)。彼が飛び込んだのが、あるアパレル会社でした。

「外資やベンチャーに強い転職エージェントに相談したところ、あるアパレル会社を紹介されました。僕はファッションに疎く、若い女性に人気のブランドと言われてもピンと来なかったのですが、待遇に惹かれたんです」

 転職先から提示されたのが経理の課長職。田中さんのスキルと経験を買っての提案とのことでした。

「20代で役職が付くのは、伸び盛りの会社だからと良い方に解釈しました。東証一部上場の前職より手取りは多少下がりますが、自分を高く評価してくれたのが嬉しくて。それに定時退社なら多少の給料ダウンもしょうがないかと」

入社1日目から抱いた違和感

ビジネスイメージ・男性・女性

※画像はイメージです

 しかしやる気を胸に抱いて出社した第1日目から違和感を覚えたそうです。

「朝礼の風景が異常なんです。全員が大声で『ありがとうございました』『お疲れさまでした』と担当者の発表に大声で連呼。でも、なかには声を出せない女性もいるじゃないですか。そんな人に『なんで、もっと声だせないんだ!』って怒号を浴びせているんですよ

 さらに驚いたのが社長への接し方だ。社長が現れると、まるで独裁国家の指導者に接するように、全員が頭を下げて神妙な面持ち。「あがめている」という表現がしっくりくる雰囲気だったそうです。

「その会社がブラックだと気付いたのは、入社後1週間のことですね。定時が来ても、いつもどおり働いていたんです。そうしたら部長が僕のところに来て、『君、わかるよねぇ』と勤怠ソフトの退社操作をするように圧力を掛けてきたのです

 たしかに勤怠ソフトを見ると、残業している人たちは、みんな定時退社していることになっていたそう。田中さんも結局、同じようにすることに。

 けれど仕事は終わらない。終電に間に合えばまだ良いほう。午前1時が田中さんの定時となったのです。

2カ月で円形脱毛症、吐血、下血

 それからは祝日ももちろん出勤。そんな生活を2か月続けていると、当然、体に異変が出てきました。

まず円形脱毛症。それから吐血・下血。体調が悪いのですが、なにせ人手が足りないから、自分でやるよりほかなくて。その会社の社長は、女性には甘いので、女性社員ってだけで遅くとも21時には帰っていましたね」

 この女性びいきの社風がさらに田中さんをはじめ男性社員の苦しみを生んでいました。

「社長は若い女性を喜ばすのが大好きなので、やたらとイベントが多くて。その準備や出し物の練習で時間を割かれて、本業に着手するのが定時後なんてこともよくありました」

 残業代未払いのうえにひどい男女格差。転職エージェントの言っていることはまったくのウソでした。でも田中さんはもう文句をいう気力すらなかったと言います。

「転職エージェントは、このひどい勤務実態を知っていたと思うんです。なぜなら人事部長が深夜でもお構いなく人材紹介会社に『早く人をよこせ!』って怒鳴っていましたから。中小の人材会社ばかり10社ほどにいつも求人を掛けていたようです」

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