セブン-イレブン「24時間営業」に加盟店が怒り。ビジネスモデルに限界も?
3)社風:社員は待遇面に違和感も
社風については、まず各種口コミサイトを確認していきます。ただし、これらは転職支援事業をビジネスにしており、各企業がクライアントにもなっている関係上、著しい悪評は公開されないようになっています。その制約を踏まえて、特徴を整理していきます。
■良い点
・残業は比較的少ない
・真面目で人柄が良い人が多い
・オーナーと一緒に成功体験が積める
■悪い点
・待遇の満足度が低い
・人によっては多大な残業時間になっている
・子育てしながらの勤務が難しい(土日祝勤務もあるため)
・経営層の派閥に気をつけないといけない
真面目で人柄が良い人が多い一方で、トップダウン式という社風や、待遇面に違和感を持つ人が散見されました。2019年に問題になった「7pay(セブンペイ)」のハッキング事件では、企業トップが「2段階認証を知らない」というITオンチぶりも露呈し、経営陣と現場の乖離(かいり)が起きているのかもしれません。
フランチャイズ契約で対策に追われる
また、フランチャイズオーナーとの関係悪化も連日報道がされています。2019年2月、セブン-イレブン東大阪南上小阪店の男性オーナーが独自に時短営業、日曜定休日化を開始し、その後、複数のフランチャイズオーナーが公正取引委員会に集団申告。「24時間営業が原則」というセブン-イレブン・ジャパン本部との対立が鮮明化しています。
東大阪南上小阪店オーナーは2019年12月31日付で本部からフランチャイズ契約を解除されましたが、記者会見で「訴訟を起こす予定」と述べており、和解には程遠い状況です。本部も「元旦の一部店舗の休業」「深夜休業ガイドライン」策定をするなど対策に追われています。
ただし、その一方で、商品開発力や改善については目をみはるものがあります。高級志向の「セブンプレミアム」やさまざまな企業とのコラボ商品は、そのクオリティの高さがたびたびネットで話題になります。
2018年10月から店舗に順次導入されている「セブンカフェ」の新型機は、カップのサイズや色を自動的に認識。当初はボタンの数が多すぎて利用者の不満が絶えなかったですが、現在では「カップを買って、機械に入れるだけ」で欲しいコーヒーが手に入ります。
筆者も使う機会がありましたが、ミスが起きにくく、とても便利なしくみであると感じました。
セブン-イレブン「ホワイト/ブラック度」判定
ホワイト/ブラック度:★★☆☆☆
現時点では経営状況は悪くはないものの、フランチャイズオーナーに負担を押し付けて実現していたものであることは否定しきれないため、これからが正念場であると言えます。
また、赤字のスーパーストア事業、百貨店事業をどうするのかなど課題も多く、道のりは決して平坦とは言えません。ただし、セブン-イレブンの商品開発力は高く、一定の顧客満足を獲得していることは評価すべきです。今後の存続への希望を含めて判定しました。
<TEXT/ブラック企業アラート>