株の売り買いタイミングはどう見分ける?株価予測する3つの指標
② 移動平均線:株価の平均値をグラフで表示
移動平均線は、ある一定期間の株価の平均値を計算し、折れ線グラフで表したものです。移動平均線には、日々の株価の動きをみる「日足チャート」、週次の株価の動きを見る「週足チャート」を用いることが多いです。
さらに、日足チャートなら過去5日と25日の平均値を表す5日線や25日線、週足チャートなら同様に過去の平均値を表す13週線や26週線などがチャート分析に用いられることが多いです。
移動平均線には、株価が上昇、下落に転じる2つの大事なサインがあります。それは、短期の移動平均線(例:13週線)が中・長期線に移動平均線(例:26週線)に交差するタイミングです。短期線が、中・長期線を下から上に突き抜ける現象のことをゴールデンクロスと呼びます。
株価が上昇トレンドが転じるサインとして使われています。逆に短期線が、中・長期線を上から下に貫いていく現象をデッドクロスと呼び、下落トレンドへの転換のサインとして使われています。
移動平均線:ソフトバンクグループ(株)(9984)の例
ソフトバンクグループ(9984)の2017年12月から2019年12月までの移動平均線では、13週移動平均線(赤)が26週移動平均線(緑)を下から上に突き上げ、ゴールデンクロスを形成し、その後に株価は一定期間上昇を続けていることがわかります。
また、そののち2019年5月から2019年9月の間に、13週移動平均線(赤)が26週移動平均線(緑)を上から下に貫いて、デッドクロスを形成し、その後に株価は一定期間下落を続けたことがわかります。移動平均線はこのように株価売買のタイミングの判断に利用されています。
③ ボリンジャーバンド:トレンドの見極めに
ボリンジャーバンドは、さきほど紹介したローソク足や移動平均線に加えて、標準偏差の線が追加されたものです。
統計学的には1σ(シグマ)の標準偏差線内に株価がとどまる確率は約68%、2σの標準偏差線の範囲内に納まる確率は約95%とされています。特に2σの標準偏差線を超過した場合は同方向へのトレンドが形成されることが多いため、トレンドの見極めに利用できます。
ボリンジャーバンド:日経平均の例
日経平均の2019年9月から12月までの株価推移を例にとると、2019年10月中旬から、ボリンジャーバンドの範囲外までローソク足が上がっており、その後上昇トレンドに突入し徐々に株価を切り上げました。
ボリンジャーバンド:東海カーボン(株)(5301)の例
2σの標準偏差線の枠を超えて下落トレンドに突入した事例として東海カーボン(5301)の例があります。同銘柄の株価は2019年3~5月に、ボリンジャーバンドの範囲外までローソク足が下がり、下落トレンドをたどりました。
ローソク足で紹介した大陰線も確認されておりこのようなチャートを目の当たりにした場合は下落トレンドが続くことが予想されます。以上、チャート分析の代表的な3つの手法、ローソク足、移動平均線、ボリンジャーバンドの見方を紹介いたしました。
<TEXT/飯田隆太>