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サッカー日本代表・南野拓実が名門リバプールに。移籍のきっかけになった大舞台での激闘

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王者を追い詰めた大舞台での激闘

 オーストリアのFCレッドブル・ザルツブルクで計5シーズンを戦った南野は念願のビッグクラブに移籍を果たした。移籍に繋がったと噂されるのが、先日行われたCLのリバプール戦だ。両チームの戦いは大方の予想を覆す内容となり、南野の存在が一気にクローズアップされる。

 リバプールのホーム、アンフィールドで行われた初戦は、前半までに3点を奪われるなど、ザルツブルクは序盤から力の差を見せつけられる展開となるが、それでも後半に入り1点を返すと、後半11分、左からのクロスを南野が鮮やかなダイレクトボレーでゴールに叩き込んだ。

 このゴールで1点差まで迫ると、4分後に南野は相手ペナルティエリア内で逆サイドへのクロスを供給、これを味方が押し込み、瞬く間に同点とする。結果的に4-3で敗れるも欧州王者と真っ向勝負を演じた主役の一人として、存在感を強烈に印象付けられたリバプールが獲得に動いたと言われている。南野は大舞台でその実力を世界中にアピールし、ビッグクラブへの移籍を勝ち取ったのだ。

多くの日本人が挑戦、近年にはリーグ優勝も

 南野の戦いの場となるプレミアリーグは、現在では吉田麻也(サウサンプトンFC)、武藤嘉紀(ニューカッスル・ユナイテッドFC)が所属している。これまでも在籍した日本人選手を振り返ってみよう。

 2002年の日韓ワールドカップ前後には、日本人プレーヤーの海外移籍が活発化し、川口能活がポーツマスFCへ、稲本潤一と戸田和幸もそれぞれ、プレミアリーグのアーセナルとトッテナムに移籍している。残念ながら川口、戸田は出場機会に恵まれなかったものの、稲本はレンタル移籍先のフラムFCで一時的ではあるが、主力として活躍し、欧州では日本人初のハットトリックを記録した。

 また、ボルトン・ワンダラーズには2005年から中田英寿が在籍。日本代表で長らく中心的存在だった中田の現役最後のクラブとなっている。また近年ではレスター・シティFCが、創設132年目にして初のプレミア制覇を成し遂げた際に、岡崎慎司がその偉業に大きく貢献したことは記憶に新しい。

 世界最高峰のリーグで首位に立つクラブでの南野のプレーを想像すると、胸の高鳴りを抑えられない。伝統の赤いユニフォームの背番号18を背負い、南野がピッチに立つ瞬間を楽しみに待ちたい。

<TEXT/佐藤文孝>

新潟県在住。Jリーグ、プロ野球、大相撲やサッカーW杯、オリンピックなど多くのスポーツの現場に足を運び、選手、競技から伝えられる感動を文章に綴っている

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