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アマゾン売れ筋No.1は本当に買いか?ワイヤレスイヤホンを徹底比較

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 2018年5月23日時点で、Amazonで「ワイヤレスイヤホン」と検索すると、「ベストセラー1位」のタグ付きで最上位にSoundPEATS(サウンドピーツ)の「Q30」という製品が表示される。

イヤホン

※画像はイメージです

 左右のイヤホンがケーブルでつながった「左右一体型」と呼ばれるタイプのBluetooth対応ワイヤレスイヤホンで、「売れ筋ランキング」のイヤホン・ヘッドホン部門で1位を長く独走状態だ。

 驚くべきは、「カスタマーレビュー」の数の多さ。

 2017年5月17日の発売から1年あまりで2222件のレビューが寄せられている。どんな志向の人が書いているか分からないことを差し引いても、5つ星での平均が4.2点というのはかなりの高評価と言っていいだろう

 そこで今回は、この圧倒的人気モデルQ30が本当に“買い”なのか? 3580円という価格はコスパ的にどうなのか? 実際にAmazonで購入して、手持ちのiPhone SEと組み合わせて1週間ほど使ったリポートをお届けしたい。比較対象として、Q30のあとに発売された「Q34」なども一緒に購入して、同条件で使用している。

3000円台で“全部のせ”状態の驚異的コスパ

SoundPEATS Q30
価格3580円

SoundPEATS Q30

SoundPEATS Q30(価格3580円) 8時間連続再生/防塵&防水対応(IP66)/apt-X対応/CVC6.0ノイズキャンセリング(ハンズフリー通話時)

 SoundPEATSは、2010年に立ち上げられた中国のブランドだ。

 手頃な価格のヘッドホンやイヤホン、Bluetoothスピーカーなどを豊富にラインナップし、数年前にAmazonで「QY8」や「Q12」といったワイヤレスイヤホンがヒットしたことにより一気に知名度を上げている。どちらも外観がほとんど同じモデルが他ブランドからも出ているのでOEM製品(Original Equipment Manufacturerの略語。他社ブランドで製造された製品)のようだが、特にQ12はAmazonでもQ30を上回る数のカスタマーレビューが寄せられる人気モデルである。

 というわけでQ30について。何がそんなにウケているんだろうとスペックを眺めてみると、なるほど確かにスキがない

 いまどきのワイヤレスイヤホンに求められる機能がほぼ“全部のせ”状態で網羅されている。電源持続時間は約8時間、防塵&防水に対応(IP66)、通常のSBCコーデックよりも高音質が期待できる「apt-X」コーデックに対応(Android端末との接続時)、ノイズキャンセリング機能への対応(ハンズフリー通話時)などなど。

 左右イヤホンのハウジングにマグネットを内蔵しているので、使わない時には両者をくっつけてネックレス状にして首にぶら下げておけば紛失の心配もない。そのへんも含めて、ワンランク上の価格帯のワイヤレスイヤホンと比べても遜色はない。ハウジングがやや大きいように思えるが、イヤーフックのフィット感がよく、一度はめれば耳からうっかり脱落なんてこともそうないはずだ。

 そして肝心の音質。

 低域・中域・高域の帯域バランスとそれぞれの質感、解像度、広がり感、遮音性、つながりやすさなど、ワイヤレスイヤホンの音質をチェックするためのさまざまな評価軸の中で、Q30のように比較的安価なワイヤレスイヤホンを買う時に特に重視したいのが「つながりやすさ」と「低音の質感」の2点だ。

 まず「つながりやすさ」。

 価格が安くなればなるほど、Bluetoothのバージョンが古くなればなるほどプチプチという途切れや遅延が多くなる傾向があるが、Q30は外出時にスマホをシャツの胸ポケットやカバンの中に入れて普通に歩いている分には、ほとんど音が途切れることがない。ワイヤレスイヤホンを使う際、途切れや遅延は一番ストレスになる部分なので、その点はまず安心できる。

 そして「低音の質感」。

 このQ30は「低音多め」と謳われているので、ゴリゴリのEDMやヒップホップが好きな人向けのチューニングだろうと勝手に思っていたのだが、実際に聴いてみるとそれほど極端に低音が強調されているわけではなく、階調感もしっかり出ていて質感は良好だ。確かに室内でデスクワークをしながら聴くにはマッチョすぎるというか、やや聴き疲れしてしまう音調ではあるものの、アウトドアで外音まじりに聴くとちょうどいい。ウォーキングやワークアウトのお供として最適だろう。

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