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1億3000万円ダウンも…年俸大幅減を受け入れたベテラン野球選手たち

コラム

 プロ野球は契約更改が行われており、各球団とも、多くの選手の来季の年俸が公表されている。例年、この時期の風物詩とも言える球団と選手とのやり取りでは評価に対する様々な表情がみられる。

交渉

※画像はイメージです

 それぞれ、1年にわたるシーズンでの活躍が反映された上でその評価に笑顔を隠さない選手、反対にチームに貢献できずに不本意な結果に終わり、来季への雪辱を会見場で誓うプレーヤーなど、はっきりと明暗が分かれる場でもある。

 なかでも僅か数年の間に大幅な減額となり、新たなシーズンへ向かうベテラン選手の姿もみられる。示される数字は純粋に能力を表すものではないとはいえ、キャリアを積んだプレーヤーにとっては現実が突き付けられるとともに、新たな奮起が促される瞬間とも言える。

1)中島宏之(読売ジャイアンツ)

1億5000万円→2000万円

中島宏之

※画像は読売ジャイアンツ公式サイトより

 12月3日、読売ジャイアンツの中島宏之が今季の年俸より、1億3000万円減の2000万円で更改した。

 この額は87%減となり、規定の減額制限(1億円以上の場合は40%まで)を大きく超える減額だが、「何もできなかった。下がるのは当然」と、本人も受け入れた格好となった。ちなみに87%(移籍の場合を除く)の減額はプロ野球史上3番目のダウン率である。

 2018年オフに自由契約となったオリックス・バファローズより移籍した今季は、一軍出場が僅か43試合に止まり打率・148、1本塁打と、実績のある内野手として期待されていた活躍とは程遠い結果となった。

 かつて共に世界一を勝ち取った原辰徳監督のもと、2020年シーズンに再起をかける。

2)成瀬善久(栃木ゴールデンブレーブス)

1億4400万円→2000万円

栃木ゴールデンブレーブス

※画像は栃木ゴールデンブレーブス公式サイトより

 かつて五輪などで日本代表としても活躍した成瀬善久も、大幅な年俸ダウンを経験した一人だ。

 2017年、それまで3年契約でヤクルトに所属していたものの、その間の勝ち星は計6勝と、先発投手として満足な成績を挙げられずにいた。そして2018年へ向けての契約更改の席で提示された金額はそれまでの1億4400万円から大幅ダウンの2000万円、ベテランにとって、もはや後がないことがその額に現れていたことは明らかだった。

 だが、翌年も復調することは叶わず、一軍登板の機会を得られずに2018年限りでヤクルトを退団。今季はキャンプでのテスト入団でオリックス入りを果たすも、今オフに戦力外通告を受け退団している。

 去就が注目された中、ベースボールチャレンジリーグの栃木ゴールデンブレーブスに投手兼任コーチとしての入団が発表されている。地元でのプロ球団で新たなスタートを切る。

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