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“隠れビッチ”を演じた佐久間由衣、『ViVi』卒業当時と今の心境の変化

暮らし

モデルと俳優の二足の草鞋は避けたかった

佐久間由衣

――佐久間さんご自身についても教えてください。現在、女優として活躍されていますが、2017年3月に雑誌「ViVi」の専属モデルを卒業された時の思いは?

佐久間:当時の私の考えとして、モデルと俳優の二足の草鞋(わらじ)になってしまうのは避けたかったんです。まずはどちらかに集中してステップアップしていきたかった。『ViVi』の方々も応援してくださいました。前向きに辞められたので、そこまでの特別な勇気みたいなものはありませんでしたが、そうした思いもちゃんと汲んで、しっかり結果を残していきたいと思っていました。

――そのあとすぐ4月から、時子を演じた連続テレビ小説『ひよっこ』がスタートしました。朝ドラの存在は大きかったですか?

佐久間:大きかったですね。今思い返しても、朝ドラの現場は、自分のなかで得るものがすごく大きかったです。キャリアがそれほどないなかでも、大きな仕事だということは分かっていましたし、そのなかで求められることに、応えたいと強く思っていました。

視野を広げるほうが豊かと感じるように

隠れビッチ

――そこから2年以上が経ちました。いまの気持ちは?

佐久間:ひとつひとつがむしゃらにというのは、ずっと思っていたいし、そのやり方しかできないかなと思っています。ただ、『ViVi』を辞めたときとは少し心境の変化があります。ちょっと視野を広げて、いろんな現場でいろんな人と出会って、色々な世界を見たいと思うようになりました。

 モデルを辞めた当時は、自分がどれだけ役者というものに染まれるだろうかと一直線しか見ていませんでした。でもいざそこに入ってみて、周りをきょろきょろ見たときに、それぞれみなさん自分のやり方を持っているし、ほかのお仕事をされて、魅力的な方も多い。そうした方々を見ていて、自分にできることだったら、役者だけと視野を狭めるのではなく、広げていけることのほうが豊かかなと感じるようになりました。

 もちろんひとつひとつを浅くということではなく、その全部を頑張れたら。その頑張りも変に気負うのではなく、楽しみながら頑張れたらいいのかなと、今は思っています。

<取材・文・撮影/望月ふみ>

ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画周辺のインタビュー取材を軸に、テレビドラマや芝居など、エンタメ系の記事を雑誌やWEBに執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異
Twitter:@mochi_fumi

【公開情報】
“隠れビッチ”やってました。』は全国公開中
(C) 2019『“隠れビッチ”やってました。』フィルムパートナーズ/光文社

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