「月収120万でも貯金ゼロ」20代風俗スカウトマンが語る“ホリエモン的人生訓”
「浅く広く」より、1つのことに秀でた人材に
世間の風潮として、多様な能力をもった人材の育成が推し進められている。副業の解禁などはその好例だろう。しかし、Oさんは「1つのことに集中した方が伸びると思う」と否定的な意見を語った。
「まあ自分が1つのことしかできないからというのもあるんですけど。でも、やっぱり浅く広くやるよりも、1つ大きな武器を作りたい。自分の場合はスカウトとキャッチでした」
ビジネス書やコンサルティング業界などでは得意分野を基盤としながら、その周辺の幅広い知識を得て業務に活かす人材を「T型人材」と呼ぶ。
「T型人材ともてはやされていますが、地に足もついてないまま幅広くやっても成功はしないと思うんです。まず自分の軸を定めて、その領域を徹底的に勉強して実践する。浅く広くやるつもりはありません。得意分野を深堀して、いわゆる『I型人材(スペシャリスト)』になるべきなんです」
稼いだのは「負けてもいいお金」
しかし、1つのことだけを突き詰めていくわけではないそうだ。
「異分野にチャレンジすることはもちろん悪いことではないです。『浅く広く』で何も成せないことが問題というだけです。1つのことに集中して稼げるようになったら次の軸を定める。全世界で1位じゃなくたっていい。100人の中で1位になれることが複数あれば、価値ある人材になることができると思います」
現在、スカウト、キャッチの仕事を行いながらも、日中は投資の勉強をしているというOさん。「次の軸を定めたんです」と彼は言った。
「スカウトとキャッチで稼いだお金で仮想通貨に投資しています。とはいえ、負け続きですし、負けるもんだと思ってます。今は勉強期間。スカウトとキャッチで稼いだ『負けてもいいお金』で勉強して、投資でも徐々に稼げるようになりたいですね」
見返したい。稼ぎたい。その一心でスカウト、キャッチとして駆け上がったOさん。表面的に「女性を不幸に陥れることはしない」と語る一方で、その社会構造を見つめず、自己責任と実力主義を是と信じる彼に、弱者の声は届いているのだろうか。
<取材・文・撮影/渡良瀬ニュータウン>