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就活面接でよく聞かれる「失敗体験」。どう答えればいい?

学び

失敗を重ねた人は3年目に差がつく

就活ひきこもり

『社会に出たいとウズウズしている君に贈る「就活ひきこもり」から脱出する本』(今村 邦之、川畑 翔太郎)

 会社に入って仕事ができるようになる人には共通点があります。それは「たくさん失敗(行動)している人」と「失敗からのリカバリーがうまい人」です。たとえば、同期で仕事ができるAさんとBさんを例に例えてみましょう。

 Aさんは慎重派で、つねに自分のできる範囲の仕事をやり、当然、失敗もほとんどありません。仕事ぶりも丁寧で同僚や上司からも信頼されています。

 一方のBさんは自分の守備範囲外の仕事にもチャレンジします。最初は失敗ばかりなので、周りからの評価も低いのです。それでも彼は、持ち前の粘り強さもあり、何度もわからないことを周りに質問しながら自分のできる仕事を増やしていきました。

 3年後、この2人の社内評価はどうなっているでしょうか。1年目はAさんのほうが高い評価をもらうかもしれませんが、3年後はほぼ確実にBさんが勝っているでしょう。さらに、重要度の高い仕事はAさんではなくBさんが任されているはずです。

企業が欲しがる就活生の「失敗エピソード」

面接

 実際の面接で好印象を与えた「過去の失敗経験から学んだことのアピール」はどんな内容でしょうか。以下にその事例を紹介します。面接官が失敗したことを聞く理由や評価されているポイントを事前に押さえて、疑問や不安を解消して面接に臨みましょう。

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【例】過去の失敗経験から学んだことのアピール

 私は大学院1年のころに学校を中退しました。当時は研究にも行き詰まり、呆然としながら日々を過ごすだけでした。現実逃避するようにアルバイトの勤務日数を増やしていましたが、研究の中間発表の日、ついに無断欠席してしまいました。

 これを機に研究室にから足が遠のき、同期とも顔を合わせたくない、この状況から逃げ出したいと思うようになりました。教授に相談し、半年間休学したのですが、やはり状況が変わることもなく、最終的には1年で大学院を中退しました。

 それからしばらく経って気づいたことは、自分の身勝手さから周囲の人たちに多くの迷惑をかけてしまったことです。大学院の入学金や学費を出してくれた両親、最後まで自分のことを気にかけてくれた教授、休んだ講義のノートを見せてくれた研究室の同期たちには感謝しかありません。

 私はこの失敗経験を振り返り、同じ過ちを2度としないと心に決めました。今回の失敗には2つの要因があると思っています。ひとつは研究がうまくいかなくなった際に、すぐに周りに状況を話し、助けを乞わなかった点です。もうひとつは状況が悪くなってから、現実逃避に走ったことです。

 私にとって社会人になることは弱い自分を変え、自分のことを認め、好きになるために必要なことだと思っています。もちろん生計を立てるためにも社会人になることは必要です。

 会社に入ったら、自分が任せてもらった仕事には一生懸命臨みますが、うまくいかないときにはその状況から目を背けずに、周りに助けを求め、乗り越えていきたいと思っています。そのためにも、日頃から先輩や上司とコミュニケーションを頻繁に取り、気に入ってもらえるよう努力します。

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 成長を止めないためにも、失敗(行動)は必要です。過去の失敗経験から学ぶことこそが、仕事ができる人の条件でもあるのです。そのような失敗から学んだエピソードを面接官に伝えられたら、高評価につながります。

 就活ひきこもりの人たちは共通して過去に大きな挫折や失敗をしています。失敗した直後は気持ちも落ち込み、自信をなくしてしまっています。でも、その失敗を有効活用すれば自分を成長させるだけでなく、大きなアピール材料にもなることを知ってもらいたいのです。

⇒次回、<面接で「短所を教えてください」の質問にどう答えるべきか?>に続く。

<TEXT/川畑翔太郎>

株式会社UZUZ専務取締役。創業から7年間で20代を中心に1,200人以上の就職/転職をサポート。twitter:@kawabata_career

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