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ラグビーW杯で外国人が「新宿ゴールデン街」に殺到。組合側は対策も

暮らし

 4年に1度、スポーツの祭典として行われるワールドカップ。今年はラグビーの大会が日本で開催されるにあたり、試合開始の9月下旬頃からは首都圏を中心に熱狂的な海外ファンの姿が目立つようになった。

歌舞伎町

今やこの場所は観光客の撮影スポットだ

 そのなかでも、特に多くの外国人観光客が訪れている場所として有名なのが新宿・歌舞伎町のすぐそば「ゴールデン街」。今、街には一体どのような変化が生まれているのか? 働く人、常連客への取材をもとにその実態を調査した。

明らかにいつもと様子が違った夜

「試合初日はとにかく異様でしたね。なぜか来る客来る客が外国人ばかりなので不思議に思っているうちに、あ、ワールドカップが始まったんだ!と。まさか、こんなに観光客で街全体がごった返すなんて予想もしていなかったので、びっくりしましたよ」

 そう語るのは、とある店舗に勤務するバーテンダーのOさん。Oさんの働く店は2階にあるため、いくら観光地といえど普段は外国人旅行者の来店もひと晩に数える程度。しかし、その夜は明らかにいつもと様子が違ったという。

「世界有数の歓楽街として有名なのが新宿・歌舞伎町。でも、流暢な英語を話せる日本人なんて一握りだから『ガイドブックでも紹介されてるゴールデン街なら英語が通用するはず!』と、観光客が流れてきてるような部分もあるみたいよ。僕らもそうだけど、外国に行って現地の人とのコミュニケーションって憧れたりするでしょ」

ドアが破壊され、警察沙汰に発展することも

警察

※画像はイメージです

 同店の常連客だという旅行会社勤務のHさんは「自分の愛する街が変わっていくことに危機感を覚えている」と、複雑な胸中を打ち明けた。

「あるお店では、この間の試合があった日の夜、酒に酔った外国人観光客に入り口の扉を蹴破られちゃったって。すぐに通報してどうにかなったみたいだけど、他のお店でも数件、警察沙汰に発展するような被害があったとは耳にしてる。それに最近、置き引きも流行ってるらしいし……まあ、全部が全部、外国人の仕業ってわけでもないんだろうけどね」

 なかでも多くの店の頭を悩ませたのが、路上に放置されたままの空き缶やグラスの処理だという。路面沿いの店舗を経営するオーナー・Kさんも例外ではなく、店先に置きっぱなしにされた大量のグラス類に困っているという。

 なぜなら、海外では屋外での飲酒が禁止されている国が多いこともあって、観光気分を味わいたいのか、お酒を片手に徘徊する外国人客が多いためだ。

「そもそも300軒近くの飲み屋がひしめき合っているような場所なんだから、外国人観光客の方だと、グラスをどこへ返し行けばいいのかわからない人もいる。だから、そのお店の関係者が気づくまで、しばらく飲み終わったグラスが放置されていたんです。でも結局、すぐにゴールデン街の商業組合から注意されてしまいました」

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