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求人は多いけど…危ないブラックIT企業を見分ける3つのポイント

ビジネス

 IT人材不足が深刻化するなか、大手企業は熾烈な獲得競争を繰り広げている。Googleやファーウェイなどの外資系企業が優秀な人材は20代でも数千万円の高額報酬を支払っている一方、日系企業は出遅れが目立っていた。

Google

© Engin Korkmaz

 そんななかNECが10月から優秀な研究職の若手社員には基本給を引き上げ、ボーナスの上限も撤廃、1000万円円支払うことを発表。また、NTTも優秀な研究者に1億円の年収を払うという。

 しかし、そうした華やかな事例が報じられるなかで、少なくないシステム開発者が低賃金、長時間労働の劣悪な環境にいる。ブラックIT企業を見分けるためにはどうしたらいいのか。

事前に確認しておくべきポイント

完全残業ゼロのIT企業になったら何が起きたか』(プチ・レトル)などの著書がある、システム開発会社の株式会社アクシアの代表取締役・米村歩氏に聞いた。

「社員のみなさんには、毎日終電まで仕事をお願いしていたし、休日出勤も当然のこと。かつての弊社は、世に言うブラック企業そのものでした」

 かつての職場環境について、米村氏はそう回顧したうえで「ブラック企業を見分けるためには事前に確認しておくべきポイントがある」と語る。

「労働者の精根が尽きてしまうようなブラック企業とは、誰もが関わり合うのを避けたいと考えるのが当然です。IT業界を志望する学生に、私が必ず挙げるポイントは、

①固定残業代が含まれているかどうか
②裁量労働制かどうか
③常駐開発を行っているかどうか

 という3つのポイントです」

1)給料の「固定残業代」が明示されない

米村歩

株式会社アクシアの代表取締役・米村歩氏

 1つ目の「固定残業代」というのは、残業をやらなくても固定で残業手当がもらえる制度のこと。効率よく仕事をこなしていて、残業がないのなら労働者にとっても一定のメリットがあるように思える。

「固定残業代の問題点は、制度そのものではなく、企業が雇用条件として提示している給料のなかに実は、固定残業代が“含まれている”ということがあること。より悪質なケースだと、それを求職者に伝えない、あるいは意図的にわかりづらくしている企業もあります」

 例えば、初任給が25万円と提示されていたはずなのに、実はそのうちの7万は月50時間分の固定残業代だったというパターンもあるという。すると、固定残業代を除いた実質的給料は18万円ということになってしまい、実態としては、お世辞にも好条件ではないということがわかります」

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