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25歳の国際協力師が見た、少女兵士の現実「ムチで200回叩かれた」

ビジネス

クラウドファンディングで活動資金を調達

ウガンダ

ウガンダ北東部の小学校で手洗い指導をする原とウガンダ人パートナーのサイラス(2019年。本人提供)

――ボランティアや国際協力に関わりたい人は日本にも大勢いると思いますが、どうしてもネックとなるのが、その資金です。原さんはどのようにして活動資金を集めているのですか。

原:現在は3か月ごとに日本とアフリカのウガンダを行き来していますが、現地の活動費に関しては、クラウドファンディングや私自身が運営しているSNSやブログで寄付を募っています。先日、「ポルカ」という資金調達アプリで寄付を募ったときは、250人もの支援者が私の活動に賛同してくれました。

――3か月間、現地で活動するにはどのくらいの資金が必要になるのでしょう?

原:ウガンダの首都カンパラは物価が高いのですが、それでも月の生活費が約8万円、渡航費が往復で15万円程度です。あとは現場でプロジェクトを立ち上げると、車のチャーター費や支援物資の購入費などが必要になりますので、これが10万円くらい。3か月で50万円くらいあれば、十分な活動を行うことできます。

――日本での生活費はどうしているのですか。

原:渡航費を含めた生活費の収入源は別にあって、現状では講演料、イベントの売り上げ、本の売上、オンラインサロンの参加費、ブログ、ライター業から得た収入を当てています。

プレッシャーで適応障害に…それでも活動を

原貫太

――超SNS時代とも呼ばれる昨今、多くの人たちがブログやSNSで情報を発信しています。それでも社会から認められるのは一握りです。他人から応援される人になるために意識していることはありますでしょうか。

原:国際協力活動をやっていると私を神格化したり、殿上人のような目で見てきたりする人がいますが、そんな崇高な人格の持ち主ではありません。プロジェクトのマネジメントや支援者からの期待をプレッシャーに感じてうつ病(適応障害)を患ったこともありますし、現地で何もできず自分の無力さに涙したことなんて数知れません。

 ただ、こういう自分の弱さや失敗もブログやSNSを通して曝け出すようにしています。だからかもしれませんね。実際、「苦しみや悲しみを乗り越えながらやっているんだな」と言って下さる人が多いので、そういった自分の泥臭さや人間臭さに共感や身近さを覚えてくれて、応援してくれるのかもしれません。

――最後に、今後の展望を教えてください。

原:うつ病の原因のひとつに、先のことを考えすぎていたというのがあるので、本音を言えば、5年後、10年後といった先の展望を考えないようにしています。むしろ、“今”できることに注力しようというスタンスです。

 現在はウガンダ東北部にあるカラモジャを中心に活動を行っています、この地域は、アフリカ全体でも最貧エリアのひとつ。個人で活動を続けられているのは、かなり珍しいので、カラモジャでの活動をどんどん発信し続け、国際協力に関心のある人たちの背中を押せればと思っています。

<取材・文/谷口伸仁 撮影/スギゾー。>

【原貫太(フリーランス国際協力師)】
1994年生まれ。早稲田大学卒。学生時代から国際協力活動を開始。在学中にNPO法人コンフロントワールドを設立。出版や講演、ブログを通じた啓発活動にも取り組み、「フリーランス×国際協力」という新しい働き方を追求。’18年3月小野梓記念賞を受賞。著書『世界を無視しない大人になるために』。ブログ「原貫太オフィシャルブログ

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