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辞める上司の「ウチにこないか」は希望か、落とし穴か?

学び

「ウチにこないか?」「一緒に移らないか?」というお誘いは嬉しいものです。

上司 部下

※画像はイメージです(以下同じ)

 上司や先輩、同僚であればなおさらです。「私は周りから評価されていたのだ!」と自尊心がくすぐられますが、ここに罠が潜んでいるか知れません。その見極めについて、新刊『「いつでも転職できる」を武器にする』(KADOKAWA)著者の松本利明氏が解説します(以下、松本氏の寄稿)

「一緒に転職しよう」は上司側も必死

 辞める上司に「一緒に転職しよう」と誘われたとき、その上司や先輩に一生ついていくならいいでしょう。一緒に転職しようということは、上司や先輩は部下を何名つれていくのかを転職先の企業と握っているのが実態です。そう、あなたも、その一人の可能性が高いのです。

 逆に言うと、約束した部下の人数が確保できないと移籍話が立ち消えになることもあるので、上司や先輩も必死なのです。部署ごと丸ごと移籍するケースはよくあります。

 上司や先輩にとって転職先は同業であってもアウェイです。即戦力採用の場合、ある一定期間に成果を出すことが前提です。転職先に馴染み、影響力を発揮できるようになるまで時間がかかります。馴染んでいる部下や後輩が一緒なら仕事がしやすいことは想像に難くありません。

転職で個人ブランドに傷がつく可能性も

面接

 ここで3点だけ注意があります。

 1つ目はライバル企業への移籍となると、現在いる会社と移籍先の会社でもめることがあります。機密データを全部残していっても、脳みそに入った情報は消えません。ライバル企業でも現在と同じ顧客企業を担当するかもしれません。

 移籍で揉め事となると業界内に一瞬でその情報が伝わります。あなたの個人ブランドがネガティブに傷つく可能性も高く、その結果、次の転職などのステップに悪影響があることもあります。

 2つ目は、移籍先の企業の組織文化や意思決定との相性です。同業でも個人の権限が大きく、イケイケどんどんの企業から、官僚的な企業に移籍したら、息苦しくて本来の持ち味が発揮できません。

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