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野村證券、巨額赤字の次は情報漏えい。それでも年収は驚きの高さ

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 野村ホールディングス(以下、野村HD)と野村證券が5月28日、金融庁から業務改善命令を受けた。

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※画像はイメージです(以下、同じ)(C) Tktktk

 この業務改善命令は、東京証券取引所の市場再編をめぐる未公表の情報を投資家に伝えたことによる。個別の企業の情報が含まれないため、いわゆる「インサイダー取引」には該当しないが、その上で市場の公正性・公平性確保の観点から不適切な情報だったと判断が下された。

過去にも受けていた業務改善命令

 野村HDおよび野村證券は、業務改善命令が発表される以前の5月24日には本件の対応について公表。外部有識者による特別調査チームを設置して調査を進めていたことも明らかにした。今後、評価制度・組織体制の見直しなどの改善を図るとしている。

 なお、野村證券は2012年にも増資情報を投資家に伝えたとして業務改善命令を受けている。過去に業務改善命令を受けた上で再度不祥事が起きてしまったことも、今回の業務改善命令という処分につながったのではないかとされている。

 さらに6月5日、全国156ある店舗を削減する計画を発表した。8月5日から行われ、9月9日までに新宿野村ビル支店や中野支店など東京や大阪、名古屋といった首都圏の25店舗が順次統合されていく。野村證券は、顧客ニーズの変化に即した体制整備の一環としている。

野村HDの平均年収は1455万円

 野村HDおよび野村證券をはじめとした国内外の子会社で構成されるグローバル金融サービス・グループは、「野村グループ」と総称される。

 野村グループは「目指すのは、“今”以上の“未来”。」をコーポレート・スローガンとして掲げており、世界30か国以上に拠点を持ち、役職員数は約90か国で2万7864名。日本を代表するのはもちろん、世界規模でも強い影響力を持つ金融サービス企業だろう。

 野村グループの中核企業である野村證券は1925年設立、現在の国内店舗数は156店(2018年4月2日現在)。大和証券やみずほ証券、SMBC日興証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券とまとめて、大手証券5社と呼ばれている。売上高では「最大手」の野村証券だが、2018年決算の当期利益で1004億円もの赤字を計上、10年ぶりの赤字に転落した。

 Yahoo!ファイナンスの情報によると、野村證券の親会社にあたる野村HDの現在の従業員数(連結)は2万8280人、平均年齢は42.4歳、平均年収はなんと1455万円となっている。国税庁が発表している「平成29年分 民間給与実態統計調査」によると、40代前半の平均年収は467万円。野村HDの平均年収が、頭ひとつどころでなく、飛び抜けて高いことがわかる。

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