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入社直後にまさかの出向。出世を諦めた20代に、想定外のラッキーが…

学び

 多くのサラリーマンは「出向」と聞いて、あまりいいイメージを持ってないはず。銀行などのように40~50代での出向は、今どき珍しいことではありません。

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※画像はイメージです(以下同じ)

 でも、入社直後の20代のうちに出向になってしまう人もいます。しかし、そうなると話は別で、決して悪いことばかりではないのです。

試用期間終了後、グループ企業に出向

「25歳のとき、設備工事メーカーに転職したのですが、出向の可能性があることは聞いていました。会社の人も『滅多にないけどね』と言っており、自分がいきなり出向を命じられることは想定していませんでした」

 そう語る水野恭司さん(仮名・33歳)が出向を命じられたのは、試用期間が終わった入社3か月後。本当は断りたかったそうですが、それを口にできるわけもなく、グループ企業への出向を受け入れます。

「いきなり飛ばされたわけですから、出世は難しいだろうと、すでに諦めモード。仕事へのモチベーションは下がっていました。それにグループ企業の待遇がいいとも思えませんし、一応、親会社から来た人間なので、ほかの社員と上手く付き合うことができるかなとの不安もありました」

 しかし、そうした不安はいい意味で裏切られます。

「会社は当時80人ほどの社員がいましたが、中途採用が多かったんです。だからかもしれないですけど、途中から入った私がすぐに馴染めるようにフォローしてくれたり、仕事以外でも積極的に声を掛けてもらい、食事や飲みにも誘ってくれました。以前、働いていた職場のように威張り散らすパワハラ気質の上司もいませんでしたし、すごく働きやすかったです」

転籍の誘いを迷うことなく了承

仕事

 また、出向先は子会社ではなく親会社の株式保有率が20%弱の関連会社。事業の独立性が高く、親会社以外からの受注が多かったこともあり、グループ企業という雰囲気はあまりなかったといいます。

「業績も毎年上がり続けており、中途採用の社員が多いのは増えた業務に対応するためだと聞かされました。仕事量が多かったですが残業は月10時間程度で、30時間近い残業が当たり前だった親会社の半分以下。親会社よりも細かい作業のマニュアルが存在し、こっちのほうが遥かに効率的だと思いました」

 出向期間は2年となっていたそうですが、あと半年で期間満了を迎えようとしたころ、上司から「正式にウチの社員にならないか?」と誘われたとか。その一言で転籍を決意したそうです。

「それは私自身が心の中で望んでいたこと。そうやって声をかけてくれたのは、本当にうれしかったです。親会社で働いていたのは試用期間の3か月だけですし、愛着も未練もまったくなかったですから(笑)」

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