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銀行にお金を預けると損。気づいた人はどう対策してる?

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 銀行振り込みで受け取った給与は、買い物など生活のために引き落としたり、節約できた分を銀行口座に貯金したりします。そうして普段なにげなく使っている銀行ですが、実は預金し続けているだけだと「損」をしています。なぜ損をするのか。

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※画像はイメージです(以下同じ)

 私は外資系の財務部で学んだ、投資に活かせるファイナンスや経済の知識を、セミナーや運営サイトで紹介していますが、その中で自覚なく預金で「損」をしている人が多いことに気づきました。

 預金しているとなぜ「損」をするのか。その理由とともに、「お金に明るい人たち」が実施している対策も併せてご紹介します。

銀行の預金では金利を受け取れるが…

 銀行の預金では金利を受け取れますが、まずはこの金利について確認してみましょう。2019年5月時点で、メガバンクの1年定期預金の金利は0.01%です。100万円預けた場合、100円の金利が付与され、税金を引かれ、80円の金利を受け取ります。

「1円でも金利が受け取れるのであれば、少しは得をしているのでは?」なんて声が聞こえてきそうですが、実際は違います。

 定期預金では「損」をする理由は、人手不足や原材料費の高騰を背景とした国内の物価上昇です。日本マクドナルドホールディングスは2019年4月に、てりやきマックバーガーやフィレオフィッシュを約3%値上げし、320円から330円(税込)になりました。1月には、コカ・コーラボトラーズジャパンは大容量飲料を中心に約6~13%の値上げを実施しました。

金利1%以下しか受け取れない人は「損」する

投資

 さらに2018年には、価格据え置きで明治の「明治おいしい牛乳」は1000mlから900mlへサイズダウン(実質11%の値上げ)、他にもキューピーのミートソース缶、ファミリーマートの国産鶏サラダチキンなどサイズダウンの例は枚挙にいとまがありません。

 このように、定期預金でお金を預けて0.01%の利息を受け取っている間に、同じ金額で購入できる商品・サービスは減っています(これをインフレーションまたは物価上昇といいます)。

 総務省は「消費者物価指数」という数値で物価上昇率をとりまとめていますが、2019年1月発表の直5か年の数値では年平均で約1%上昇しており 、これより低い金利しか受け取れない預金では「損」をしていることになります。

定期預金から“手堅い利回り”の国債と社債に

 1%以上の金利をもらわないかぎりは、実質的に預けているお金が目減りするのと同じことがわかりました。この事実に気づいている人が取っている対策が、元本保証の国債や手堅い利回りが確保できる社債です。

 国債は日本国政府へお金を貸し、金利をもらう投資ですが、誰でも簡単に行えます。例えば、2019年5月に個人向け国債を購入し、日本国政府に100万円を貸した場合、1年後には100万円と2000円(税引後)が返ってきます 。

 社債は企業にお金を貸すことです。社債を購入し、ソフトバンク株式会社に100万円を貸せば、6年後には100万円と利息の9万8400円(税引後7万8360円)が手元に戻ります。税引き後の利率は年利1.306%です。

 国債に関してはあまり知られていませんが、実は、個人向け国債は、1年以上保有すると元本が保証されます。「日本の借金が増えて国債は危ない」という主張を聞くことがありますが、これは投資会社および法人を対象とした話で、個人に対しては国の元本保証がつくのです。

 社債は、企業にお金を貸す行為なので、国債よりはリスクは高まりますが反面リターンも高くなります。わかりやすい懸念点を挙げれば、大企業では滅多に起こることでではないですが、お金を貸している企業が倒産することです。先ほどの6年ものの社債であれば、この期間内に倒産すると思うかが、投資するか否かの分かれ目になります。

社債は「損」をしないための現実的な対策

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 目的が「損」をしないための投資であるのであれば、社債は外せない選択肢になるでしょう。しばしば「リスクフリー」と言われる国債は、最も安全な投資ですが、国債では利率は年平均1%以上の物価上昇率を下回っており、これでは「損」をし続けるからです。

 また社債を発行するような大企業および上場企業は滅多に倒産しません。東京商工リサーチの2019年調査では、過去10年で見ると年平均で3社の上場企業が倒産していますが、日本の上場企業数が約3700社だとすると非常に稀なことだとわかるでしょう。ここでの「社債」とは、信用力の低いベンチャーや中小企業が発行する「私募債」ではなく、大企業・上場企業が発行する「公募債」を指します。

 ソフトバンクの場合も、通信インフラを提供する社会に欠かせない企業だといえ、すぐ倒産することは考えにくいのではないでしょうか。紹介済みの6年満期の社債も申し込みが殺到し、申込み初日に発行額を上回る個人投資家が集まっています。

 以上、「損」をしたくない人がとっている国債・社債という対策について紹介してまいりました。本連載では、減り続ける所得や年金への不安に対して、「お金に明るい人たち」がどのような対策をとっているかも紹介していきたいと思います。

<TEXT/飯田隆太>

米国銘柄中心投資家 。米国系 外資企業の財務部に勤務し、2週間に1度しか出社しない「コスパの良い働き方」をしながら、捻出した時間を副業と投資に向けることで、アーリーリタイアを目指している。自身の経験を基にしたキャリア戦略、副業、投資情報を運営サイト「ビズトレ!」で公開中