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英会話でやたら「very」を使うと逆効果になるワケ

コラム

若い人ほど使いがち、誇張の表現「VERY」

英語

 逆に、Believeにどう気持ちを込めて表現したらよいかを指導するはずです。We highly suggest…「私たちは○○するとよいと強く思います」や、We very much disagree…「私たちは○○に断固反対します」などもそうですね。時にはもちろん「断固」などの表現が必要な時もあります。しかしいつも「断固」や「強く」を繰り返していれば、これらの単語に含まれる意味が弱まってしまうでしょう。

 実際、イギリスと比較してアメリカの英語はこのような誇張の表現が多いとされています。先ほど、若い人ほど誇張の表現を使うと書きました。

「親友とは人生で2、3人できるかできないかだ」と、よく言われますが、アメリカの高校生などは「Very good friends」「とても仲の良い友達」程度の意味で、Best friendsを使います。

 This is the most delicious food I have ever had.「今まで食べた中で一番美味しい食べ物」も、実際には「Very delicious」程度の意味。私は通訳をする時に、文字通りの意味と、このあたりの隠れた意味を勘案して、時には「今まで食べた中で一番美味しいかもしれない」程度に和らげることもあります。

 外国語として英語を喋る私たちにとっては、不必要な誇張表現を避け、単語だけに頼らないい豊富な感情表現ができるようになるとよいですね。

<TEXT/木内裕也>

会議通訳者、ミシガン州立大学研究者。アメリカ大衆文化、アメリカ史の研究を行うほか、国際一流企業、各種国際会議などの通訳を行う。またプロサッカーの審判員としても活躍。著書には『同時通訳者が教える 英語雑談全技術』『耳と口が英語モードになる同時通訳者のシャドーイング』(ともにKADOKAWA)など多数。英語で仕事をする人の応援サイト「ハイキャリア」にも執筆

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