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実家ぐらしの男はモテない?「実家出ない宣言」して貯金500万円の20代が反論

暮らし

「コスパで考えて、実家を出る意味がまったく分からない。一人暮らしをする意味ってあるんですか?」

写真はイメージです(以下同じ)

 こう語るのは藤田大典さん(26歳・仮名)。彼は現在、埼玉県にある浦和の実家から、都内の企業に通勤しています。「一人暮らしといえば、誰しも一度は通る道」と勝手に思っていた筆者ですが、昨今の若者の考えは少し違うようです。

何よりもコスパ重視

 生まれも育ちも埼玉県だという藤田さん。小学生に入るとき、今の実家である浦和の一軒家に引っ越しました。それ以来約20年間、同じ場所に住んでいるということになります。「実家を出よう」と、少しでも思ったことはないのでしょうか。

「まったくありません。大学は都内に通学していましたけど、ウチから30分ほどの場所でしたから、一人暮らしの選択がなかった。会社も同じく約30分。別に実家から近い企業に絞って就活をしたわけではないですが、たまたま決まった会社がそういうところだったんで、ずっと実家にいます

 JR上野駅まで約20分、JR新宿駅までは約30分と、藤田さんの最寄駅でもある「JR浦和駅」は、都内に出るには便利な電車が走っており、確かに無理をしてまで独立する必要はないように感じることも事実です。

「都内でワンルームの家を借りるとして、大体7万円くらいですか? それはもったいないと思うんですよ。7万円ですよ、月に。それで今よりも狭い家を借りて、飯も自分で調達する。地方から『どうしても東京に来たい』という人なら仕方ないですが、僕のような環境でそれをやるのは、アホらしいと思うんですよね」

 藤田さんは、実家に月2万円を入れ、残りのお金は遊興費、貯金に回しているそう。その環境では、その3倍以上のお金を住居代に充てるのは、バカバカしいと感じてしまうのも分かります。

苦労を買う時代ではない

 ですが「苦労は買ってでもしろ」といった格言もあるように、親元を離れてこそ得られる経験も多いでしょう。ですが、藤田さんは「時代が違う」と切り捨てます。

「それは景気の良い時の話じゃないですか? 苦労を買った先のメリットが分からない。給料が大幅に上がることもないし、景気が良くなり、お金を使えるような空気でもない」

 そして、昔にはなかった「ブラック企業」への対策としても、実家が良いという。

「たとえば就職に伴い、自立して、そこがブラック企業だとします。実家暮らしならば、当面のお金の心配もないし、その環境から逃げ出しやすいですよね。でも一人暮らしだと、お金がなくなってしまうから無理して働いてしまうかもしれない。それで体を壊す可能性だってある。

 実家の場合、お金の心配もないから、やばい時に逃げられる選択が取りやすいですよね。『甘い』って言われるかもしれませんが、これが現代のリスクでもあるし、可能な限りそれを減らすことも大切だと思うんです」

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