bizSPA!フレッシュ

パイオニア、赤字のカーナビメーカーを大逆転させる思考法

ビジネス

 平成の時代もまもなく終わろうとしていますが、世の中慌ただしいです。

ビジネス シルエット

※画像はイメージです(以下同じ)

 さまざまな企業の経営危機や不祥事のニュースを目にするたび、これは経営陣や組織のトップの問題であり、「イチ会社員である自分には関係ない」と考えている人も多いかもしれません。しかしながら「あなただったらどうするか?」という視点で考えるのは、論理的な思考を養う一助となります。

 今回は固定観念や既成概念にとらわれない新たなアイデアを生み出す思考法“ラテラルシンキング”で、そうした事例をどうやって解決するか、木村尚義さんの著書『NOロジック思考』をもとにご紹介します。

 これまで赤字の大塚家具、廃業したスペースワールドについて紹介してきましたが、今回はカーナビメーカーのパイオニアを実例に考えてみましょう(以下、木村さんの寄稿)。

オーディオ御三家と言われた名門企業

 カーナビメーカー各社では、売上の減少で苦しんでいます。

 かつてはアンプの山水電気、チューナーのトリオ(のちのケンウッド)と並んで「オーディオ御三家」と言われていたパイオニアも、オーディオ部門を売却して、カーナビ専門として生き残りをかけています。

 それでも2018年時点、赤字の体質が続いています。1980年代のパイオニアは、カーステレオだけではなく、オーディオ・ビジュアル業界に多大な影響力を誇っていました。大型プラズマテレビと高画質の映像コンテンツを再生するレーザーディスクプレーヤーで世界中に名を馳せていたのです。

 カーナビに将来はあるのでしょうか。パイオニアに選択肢はあるのでしょうか。

カーステレオからカーナビの代表メーカーへ

カーナビ

 カーナビは、アメリカが軍事目的のGPS衛星を民間でも利用できるように開放したところから始まります。もともとカーナビはカーコンポとしての親和性が良いので、1990年にGPSを使った世界初のサテライト・クルージング・システムと銘打って「カロッツェリアAVIC-1」を発売します。

 地図データにはCD-ROMが用意され、テレビ画面に地図と位置情報を重ねて映し出す。今ではおなじみになった光景の始まりです。こうしてパイオニアはカーオーディオに続きカーナビの代表メーカーとして世界中に知られたのです。

 しかし2001年以降は、パイオニアの躍進に陰りが見えてきます。AV関連事業が急激に業績を悪化させます。

 映像部門は、画質にこだわった大型プラズマテレビが思わしくなく、かわりに安価な液晶テレビが主流になります。オーディオもアップル社が家中にある音楽を全て持ち出せるとして、携帯プレイヤーiPodを発売したことで、急激に縮小します。

 結果、パイオニアはAV部門に見切りをつけ、カーナビ専門メーカーとしての方針を固めます。