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本当にやりがい搾取?あえて「無給インターン」を選んだ女子大生の勝算

学び

無給インターンのメリットはあった?

 さて、4年生の7月頃までインターンをしていたということで、就活はどのように並行して行ったのでしょうか。

「私、就活という就活は全然していないんです! というのも、私は海外ドラマの影響を強く受けていてファッション業界にはインターンや人脈で入り込むものと思い込んでいたので(笑)。

 だから企業のSPIのテストや集団面接は一切受けずに、『ファッション業界に潜り込むには人脈が一番大事! インターン自体が就活だ!』という意気込みでした」

 名より実を取ったと言えるあやめさんの現職への道のりは?

「インターン先の編集部の方にほかの働き口を相談したところ、現職の編集部でスタッフを募集していることを教えてくれました。人事にもインターン経験があることを伝えておいてくれたのはありがたかったです。

 採用には、インターンをした編集部のネームバリューの影響もあると思います。もしインターン先が名も知れぬ小さな出版社だったら、こんなにうまく現職に繋がらなかったろうし。だから、某編集部での経験は、今思い返すと大きな強みになっていますね」

将来を見据えてのインターン選びがマスト

出版

 あやめさんはインターンからの繋がりで、めでたく狭き門である出版社に採用されましたが、インターン選びで重要なことは何なのでしょう。

「どんなインターンにもメリット・デメリットはあります。だからこそ、“自分が何を得るためにそのインターンをするのか”を明確に意識することが大事。それが賃金なのか、人脈・経験なのかは人それぞれですが。

 でも、ファッションや出版業界に進みたいならば、やっておくべきだと思います。人との繋がりがモノを言う業界でもあるので」

 就活を意識した学生の中に多い“とりあえずインターン”という人についてはどう思いますか?

「周りがみんなインターンをしているから、という程度ならインターンはあまり勧めません。特に、無給なら時間と労力を搾取されて終わってしまうので。

 無給のインターンには必ず、割りに合わない部分があるけれど、それさえも利用して仕事を掴み取ってやろう、というくらいの意気込みがあるなら大丈夫。きっと結果は出るはずですよ」

 無給インターンさえも逆手にとって夢を叶えたあやめさん。大学生という貴重な時間を無駄にしないためには、将来への明確なビジョンを持ってインターンを選ぶことが重要なようです。

特集・あなたも被害者?ブラックインターンの実態

<取材・文/阿形美子 イラスト/Yopsymi(@Yopsymi)>

1994年生。大学卒業後、フリーの編集・ライターとして活動中。底抜けの飲んべえゆえ酒ネタが多いが、インタビューやモノ記事、カルチャーネタなどもカバーする。Twitter:@agata_yoshiko

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