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給与に惹かれ、悪徳業者と知らずに入社…転職初心者が気をつけること

学び

 転職での失敗経験は誰にでもあるだろう。売り手市場と言われる昨今だが、転職志願者は十分に注意してほしい。

パワハラのイメージ

※画像はイメージです(以下同じ)

 20代のbizSPA!世代には転職未経験者も多いだろうが、条件の良さに目がくらんで、超ブラック企業に入社してしまったなんてよくある話だ。

「これで老後も安泰」などと言葉巧みに高利率な健康商品を高齢者に売りつけ、多額な資金を集めていたA社。2018年に経営破綻し、世間を騒がせたが、今回はうっかり同社に転職してしまったある男性に話を聞いた。

条件で魅力的だったのは…

 昨年までメーカーの広報として活躍しており、今年より念願のフリーライターとなった勇気さん(仮名、35歳)は約10年前、問題のA社に勤務していた。どんな経緯だったのか?

「新卒からベンチャー企業で広報をやっていたのですが、残業とか給与面で納得いかなくて、入社3年目の25歳の時に転職活動を始めました。

 文章を書くのが好きなので将来的にはフリーになりたいと思っていました。ただ、当時は社会人として経験を積みたくて、同じ広報の仕事を探していました」

 人材紹介会社の紹介でA社など複数を受けた勇気さん。他社と比べて、入社を決心したポイントはどこだったのか。

「もっとも条件で惹かれたのは『日本全国に出張がある』ということ。僕は旅行が好きで、数か月に1回程度、旅に出ていたのですが、A社は月に何度も地方出張がある。それも魅力的だったし、給与面も面接を受けた会社の中で1番良かったですね」

入社前から現れていた怪しい兆候

 全国出張できて、給与も上がるなんて、旅好きにはたまらない条件だ。とはいえ、ここまで問題になった同社。入社前に怪しいと思わなかったのか?

「それが全く知りませんでした(笑)。面接ではよくある代替医療機器メーカーだと聞いていたので、怪しいとは思いませんでした。営業や経理に直接的に関わる部署でもなかったので、怪しい手口の説明は一切ありませんでした」

 待遇の良さと、若さゆえの勢いもあって、すぐに入社を決めたという勇気さん。しかし、入社してすぐ違和感を覚えたといいます。

「毎朝、準備体操や唱和をさせられる朝礼がメチャクチャ長くて、宗教っぽくて。初日からヤバいところに転職してしまったと思いましたね。創業者である会長を社員全員、神のように讃えていて、まるで教祖の扱いでした」

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