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2020年、37万人が不足の衝撃。IT業界に人が集まらない深刻な事情

ビジネス

 IT業界といえば、一部の大手企業を除いて、長時間労働や低賃金労働の「ブラック業界」の代名詞とされてきました。しかし、成長著しいIT業界なのに、なぜブラック化してしまうのか?

 IT業界向けのPRプラットフォーム「テックストーリー」を運営するウィルソア株式会社、小井戸浩代表取締役に教えてもらいましょう。

“12兆円”IT産業の深刻な人材不足

ブラック企業

※画像はイメージです(以下同じ)

 現在のIT業界の市場規模はおよそ12兆円と非常に大きな産業となっており、そこで働く人は100万人と言われています。米国の調査会社であるガートナーは、2020年には企業内のあらゆる予算がIT関連になると予測しています。

 しかし、この市場規模が、逆に仇になっています。

 昨年に経済産業省が発表したデータによると、ITニーズは今後も拡大する一方で人材は危機的に不足しており、2020年には37万人、2030年には79万人もの人材が不足すると警告しています

 この一因には就業人口の減少に加えて、コンピュータサイエンスを学びたいと思う学生自体が減っていて、合わせて専門の学科・学校数も減少しているという現実があります。文部科学省の「学校基本調査」によると、2015年には全学科に対するコンピューターサイエンス関連の学科の割合が3.7%と最盛期から半減し、今後も減少傾向が続いていくとあります。

 なぜ成長産業にもかかわらず、若者はIT業界を目指さないのでしょうか?

拭い去れないブラック認定と構造悪

 その理由は、IT業界=ブラック業界という認識がついてしまったためです。ブラック業界のランキングには常に上位に位置づけられ、「きつい・帰れない・給料が安い」の「3K」に加えて、「規則が厳しい・休暇がとれない・化粧がのらない・結婚できない」の「7K」と揶揄される始末。

 これは単にイメージの話だけではなく、実際にIT業界従事者のうち約半数(45.5%)は業界を離れていると言われています。なぜIT業界がブラック化したのか、それはIT業界の構造悪にあります。

 国内IT業界には3万社を超える企業が存在し、多重請負構造ができ上がっています。多重請負構造とは、ある企業が受注した業務をさらに孫請け(2次下請け)やその下(3次下請け)へと流すことで、多層的に業務委託が行われていく構造です。