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“NASAの計画”に抜擢!月面探査車ベンチャー社長が語る「100年後の地球」

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 まだまだ未開拓の領域が広がる宇宙。世界各国が資源やロマンを追い求めて開発競争を繰り広げている。しかしもっとも地球に近い天体である月のことも、満足に知ることができていないのが現状だ。初の人類月面着陸を果たしたアポロ11号の快挙から50年以上経ったいまでも、それは変わらない。

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月面探査車YAOKI。特徴的なフォルムをしている

 もちろん、月の研究は継続的に行われている。なかでも注目を集めているのがNASAなどが進めている月面開発プロジェクト「アルテミス計画」だろう。壮大な話のように聞こえるかもしれないが、同計画には日本の民間企業も携わっているのだ。

 アルテミス計画で宇宙へ飛び立つことが決まっている月面探査車「YAOKI」。その開発を行った株式会社ダイモンの代表・中島紳一郎氏に、同計画とYAOKIについて話を聞いた。

興味と使命感から踏み出した一歩

――YAOKIの開発に至ったのは、どういった経緯からでしょうか。

中島紳一郎(以下、中島):難しい質問ですね。私は当時、BOSCHという会社に所属していたんです。そこでAudiの4輪駆動システム「quattro」の開発に成功した時、「やりきった」という満足感を得てしまったのが1点。

 もう1つが、東日本大震災です。あの凄惨な事故を目の当たりにして、「車のエンジンを作っている場合じゃない」という気持ちを抱いたのが宇宙開発に興味を持ったきっかけだったと思います。

 次のステージを宇宙と定めた後は、White Label Space Japanというチームにボランティアとして参加しました。「小型宇宙探査車」の開発に従事していく中で、段々と現在の事業に繋がっていった形です。

1kgを輸送するのに1億円

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株式会社ダイモン代表の中島紳一郎氏

――駆動系の開発知識がYAOKIの独特なフォルムに繋がったということですね。

中島:そうですね。あとは、必要に駆られて最適化が進んだというのも大きな理由です。たとえば月へ1kgのモノを輸送するコストは約1億円。そのためできる限りの小型化・軽量化が必要です。

 そして月には非常に高低差のある段差や窪地、洞窟などが点在しています。人に代わり先陣を切って進んでいくためのモビリティであるため、バランスを崩しにくく姿勢回復が容易な上下対称の二輪ボディになりました。

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