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20代女性「支給は5万円のみ」。冬のボーナスの実情は大手企業でも明暗が

コラム

 徐々に回復の兆しが見られるという世界経済。生活様式がウィズコロナに変化していき、数字の上では新型コロナウイルス感染症流行前(2019年10~12月期)の水準に回復したとされている。

世界経済

※画像はイメージです(以下同じ)

 しかしコロナ第8波による感染者数情報や物価高騰ニュースなど、暗いニュースが続いており、数字で「回復している」とされても、まだまだ不安が尽きないのが実のところだろう。

 そんななかで迎えた“冬のボーナス”時期。経団連が公表した、大手企業の2022年年末賞与・一時金は、前年(2021年)比8.92%増の平均89万4,179円となった。とはいえ、中小企業にとってこうした好景気は無縁に感じる。コロナ初期にはボーナスカットなどの話も聞こえたものだが、いまは数字通りの回復率を見せているのだろうか?

現場からの悲痛な叫び

 大手塾で講師を務める坂上さん(20代・女性)は、去年に続いて今年もボーナスが出なかったという。本来なら2か月分支給されるはずのボーナスだったが、今回は5万円のみの支給となった。

 塾ではオンライン授業等も実施して生徒数確保に奮闘したが、「コロナ禍の2020~2021年度に比べれば2022年は生徒数も増え、少々回復の兆しがあった。しかし苦戦を強いられている状況は変わらなく、経営状態はなかなか難しいようです」と坂上さんは語っている。

節約しないと貯金すらできない

ボーナス

<ボーナスが出たら何が買いたいか?>という質問に対し、「ブランドバッグを買うるつもりでいたけど、とてもじゃないけど買えない。家賃もボーナスありきの値段で探した物件だから、生活費の節約を頑張らないと貯金すらできない」と悲しみの声を聞かせてくれた。

 株式会社Q.E.D.パートナーズが女性200人へ行った「2022年冬のボーナス」に関する意識調査アンケートによると、<今年のボーナスはどのような印象を持っていますか?>の問いには、「変わらない」「減りそう」という回答が9割以上を占める結果に。

 経済が回復してきたと言っても、すぐにボーナスへ還元されるわけではなさそうだ。回復してきた売上を、昨年、一昨年分にコロナで被った会社の損益の補填に当てている企業も少なくないかもしれない。

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