比嘉愛未、30代半ばでやめられた“自分のアラ探し”。自然体で生きるコツ
幅広い世代の支持を集める女優の比嘉愛未さん(34)が、2021年5月7日より全国で上映中の映画『大綱引の恋』に出演しました。本作は2020年3月に62歳で急逝した佐々部清監督の遺作となりました(新型コロナの影響で一部劇場の上映日程が変動。詳細は公式サイトを参照)。
鹿児島で400年以上の歴史と伝統を守り続けている川内大綱引を題材に、主人公の家族や彼自身の愛の物語を描く、この物語。比嘉さんは、主人公・武志(三浦貴大)の妹・敦子役を演じています。
2006年NHK連続テレビ小説『どんど晴れ』のヒロインに選ばれ、国民的な知名度を獲得したあと、連続ドラマ『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』など代表作も多い比嘉さん。しかし、完璧主義に近い性格ゆえに、人知れず葛藤する日々もあったそうです。また同じく仕事で苦悩する同世代へ投げかけたいメッセージとは? 話を聞きました。
佐々部清監督との出会い
――台本を受け取ったとき、どのような感想を抱きましたか?
比嘉愛未(以下、比嘉):まず、佐々部監督とは4~5年前にWOWOWのドラマで一度ご一緒させていただいていて、そのときから「いつか佐々部監督の映画に出たい」という想いが強くありました。そして、その出会いのあと、すぐに今回のお話をいただきました。監督直々に「出てくれないか」というお話があり、佐々部監督の作品なら絶対出るという気持ちでお返事しました。
実際に台本を読んでみて、“佐々部イズム”と言いますか、ものすごく丁寧に人物を描かれる方なので、本当に温かい作品だなと思いました。家族の話だけでなく、いろいろな恋愛も描かれていて、主演の2人はライバル的な絆もあり、今まで日本人が忘れかけていた心みたいなものがじわっと伝わってくるような作品になっていると思いました。
――佐々部監督の作品にどうして出たかったのでしょうか?
比嘉:佐々部監督の人柄が大きいです。以前、ご一緒したときは、WOWOWのドラマで『本日は、お日柄もよく』という原田マハさん原作の全4話のドラマだったのですが、佐々部監督自身、連ドラを撮ることが初めてで、わたしも連ドラ主演が初めてでした。お互いに初めてだったので熱意が強く、一緒にいいものを作ろうという思いが重なりました。わたしも座長として頑張ろうという熱い思いが通じあった感じがしました。
女優の仕事は“出会いと別れ”が醍醐味
――現場の雰囲気はどうでしたか?
比嘉:佐々部監督は大先輩なのですが、上から目線などでは決してなく、同志として、表現者として対等に接してくださるんです。今回の作品も、いわゆる佐々部組のみなさんが出ていますが、仕事をしたらもう一度、仕事をしたいと思わせるような方々で。今回、わたしも佐々部組の一員になれたような気がして、それだけで幸せです。
――素敵な出会いがある仕事ですよね。それも仕事をする上でのモチベーションになりますか?
比嘉:まさにそうです。この仕事は普通のお仕事よりも、もしかしたら出会いと別れが多いほうかもしれないですね。長くても3か月、朝ドラなら1年。それでまた別れ、どこかの作品でまた出会う、その繰り返しなんです。
ゼロから人間関係を築くことは体力も要るし、精神的にも緊張を強いられるんですよね。そこには相性もあるのですが、今回のように素晴らしいみなさんと出会い、一緒に仕事ができてよかったなと思えることは、まさしくこの仕事の醍醐味だなって思います。