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大学講師の私が、コロナ禍で気づいた「人の温かみ」の重要性

学び

 今年は雨の降り続く日が多い。筆者の住む関東地方も例外ではないのだが、新型コロナウイルスの“第二波”が懸念される中で、九州では記録的な豪雨により広範囲での被害も出ており、一体いつ、私たちは安寧を取り戻せるのかと思うばかりだ。

マスク 出勤

画像はイメージです(以下同じ)

 原稿執筆時点(7月25日)では、都内を中心として全国的に感染者数が増加傾向にある。さらに、観光業支援のために政府が取り組む「Go To トラベル キャンペーン」に賛否両論が集まるなど、コロナ禍での混乱はいまだ落ち着く気配がない。だからこそ今一度、現状と近い将来を俯瞰してみたい。

大学では授業のオンライン化を決定

 筆者が専任講師を務める千葉商科大学では、現段階で前期の授業をすべてオンライン化することが決まった

 大学によっては対面の授業を開始した事例もあるが、文部科学省による「新しい生活様式」に則った決まりがあり、ソーシャル・ディスタンスを保とうとすると筆者の大学では、学年が75人のため、一堂に会する講義では大教室が必要となる。

 それでは難しいという判断からオンライン化に踏み切ったのだが、大学によっては、学生たちの間隔を空けて講義を行っている場所もあり、また、リモート授業と組み合わせているケースもある。ただ、気になる声として「感染が怖いので行きたくない」とつぶやく学生もいて、暑い日にはマスクを付けながらの授業で熱中症のような症状で気分が悪くなることもあるようだ。

 しかしながら、講師としてはリモート講義の準備には大変な苦労がある一方、楽しさもあった。動画で授業を配信するのは初めての試み。ときには真面目な講義動画を作ってみたり、ときにはYouTuber風の講義動画を作ってみたりと試行錯誤を図る中、自分自身の殻を破れた感覚もある。

オンラインこそ「人の温かみ」が重要

常見さん

DJに扮してオンライン授業を配信する筆者。生徒からの評判は上々だという

 オンライン環境だからこそできることや難しいことがあり、モニター越しに語りかけるには「人の温かみ」が重要だと気付かされた。

 また最近になり、新入生たちが同期生とのコミュニケーションを取りたがっているようだ。入学式すらも満足に執り行われなかった今年に、彼らが人と会いたがっている事実の意味は大きい。

 せっかく上京してきたというのに、六畳一間で友人も頼れる人もいないのが寂しいのは当然で、自分がどこに所属しているのかという不安は、コロナ禍での人の在り方を象徴しているようにも思える。

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