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大和ハウス、取締役の賞与2割減。社員からは経営に戸惑いの声も

ビジネス

 大和ハウス工業株式会社(以下、大和ハウス)が6月3日、社外取締役を除く16人の取締役の賞与総額を減額する意向を明らかにした。6月25日開催の株主総会にて正式決定される予定だ。

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※画像はイメージです(以下、同じ)(C) Tktktk

 当初、大和ハウスでは、取締役に支給する賞与総額を10億4500万円と予定していた。減額後は8億3600万円と、およそ20%低い額になるという。

大和ハウス、なぜ賞与を減額?

 賞与減額の背景には、これまでの一連の不祥事の影響があると見られている。

 大和ハウスは、2019年3月に会社資金の不正引き出しが判明。中国の関連会社で約234億円もの巨額資金が不正に引き出されていた。

 合弁先(前述の関連会社とは別)から派遣された取締役ら3人が関与したとされており、刑事告訴も含めて全容解明が進められている。なお、本件で全額が回収できなかった場合、117億円の損失が見込まれている。

 不祥事は不正引き出しだけにとどまらない。4月には、国内での不適切建設問題も発覚。アパートや戸建て住宅など2000棟以上で基準を満たしていない柱を使用するなど建築基準法違反の疑いが明るみになった。

 改修工事などで1億円の費用を見込むとともに外部の調査委員会を設置。不正取引と同様に、原因の分析が進められている。こうした事態を重く受け止めた大和ハウスは、賞与減額に留まらず、ガバナンスを強化するための組織再編を今秋予定している。

大和ハウスの平均年収は……

給与

 大和ハウスは1955年に創立。社名は創業者の出身地が奈良であったため、旧国名から来ている。ちなみに大和は国名としては「やまと」と呼ばれていたが、大和ハウスの社名では「だいわ」と読まれる。創業者の「大いなる和をもって経営に当たりたい」という気持ちが込められているという。

 現在は大和ハウスグループとして事業を展開しており、大和ハウス工はその中核企業として事業展開している。大和ハウスグループでは、Housing(住宅など)・Business(商業施設など)・Life(リゾートホテル、フィットネスクラブなど)・Global(海外での事業展開)を事業の柱として、各種分野に進出している。

 グループ会社数は317社(2018年3月31日時点)に及ぶ。グループ売上高は3兆7959億円(2018年)と公表されており、住宅・建設業界で第1位となっている。

 Yahoo!ファイナンスの情報によると、大和ハウスの単独従業員は1万5996人。平均年齢は38.7歳で年収は893万円。「平成29年分 民間給与実態統計調査」によると、建設業の30代後半の平均給与は約473万円なので、大和ハウスは従業員の年収においても建設業界トップクラスと言えるだろう。

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